いまさら与謝野かよ

　年明けから財界やマスコミの環太平洋連携協定（ＴＰＰ）推進、消費税増税ありきの論調にうんざりしていたところに、菅さん遂に乱心かと思わせるタチガレとの連立だとかなんとか。結局連立ではなく与謝野がタチガレを離党して入閣だって。中曽根がかつて政界の風見鶏とか言われてたけどこの与謝野という人はそれ以上に節操がないようだ。

　菅さんはブレーンと言われる神野直彦氏を政府税制調査会専門委員長にしており、所得再配分が機能する社会民主主義政策を打ち出してくれるのかなとちょっと期待していたのだけれど、与謝野を担ぎだすようではもう死に体だ。

　オレの中では与謝野はもうとっくに終わった政治家という評価をしていて、こんなことなら松下PHP政経塾でもいいから若手にまかせた方がマシだろうと思った。この与謝野という人は自民党比例区で復活当選し、風見鶏中曽根の子分で新自由主義者でありながら極右の平沼と手を組んだかと思ったらあっけなく離党するという節操のないご老人で、筋も義もない醜い日本人のひとり。

　そして小泉構造改革時代には小泉・竹中とつるんで新自由主義政策を打ち出し、この国を利己主義と自己責任論と受益者負担主義が幅を利かせる醜い国にした張本人だと思っている。小泉構造改革の反動でワーキングプアとか格差と貧困が社会問題になり、自己責任論や受益者負担主義がしばし影を潜めて政権交代に至ったのに、こんなにも早くゾンビのように生き返ってくるとは。もちろんポピュリズムにだまされてそんな輩を担いでいる国民が悪いのだけれど。しかし民主党がいくらヘボだからといって自民党に政権を返すほど国民はバカじゃないと思いたい。とにかく年寄りはもう隠居して若手にやらせてみたらどうだろう。

　菅さんが与謝野を担いだという事は消費税増税と財政再建路線に舵を切ったという事。TPPも当然推進だよな。財界と、財界のスピーカーであるマスコミ（いやマスコミ自身が財界なのだ）と、アメリカ言いなりの内閣ということだ。
　税金が多少高くても公共サービスが充実しているなら納得できる。しかしその財源を消費税に求めるのは安直すぎないか。消費税の前に法人税・所得税・相続税を２０年前の水準に戻したらどうか。法人税が高いから海外に出て行くという企業や、いくらがんばっても所得税でふんだくられて報われないから海外へ出て行くという個人は出て行ってもらっていいのではないか。とにかく勝ち組、負け組の要素には努力だけでなく生まれた環境や運によるところが大きいだろうし、憲法２５条の生存権が保障されないほどの格差があってはならない。所得再配分が機能する国になってほしい。
　日本固有の領土が侵されたにもかかわらず、レアアースや食料の輸出規制を恐れてうやむやにする政府が、今度はモノを売るためにTPPを推進し、日本の農業を衰退させようとしている。これ以上食料自給率を下げ他国に依存して、兵糧攻めを外交カードに使われたら安全保障どころではないと考えるのは素人考えだろうか。