機械は使いようなのだ

　１２月から２月くらいにかけて家庭科でミシンを使う授業がある。エプロンなどを作るのだがセット教材なので結構な値段ですべて保護者負担である。ミシン糸は学校で準備しているのだから家庭から古タオルを持ってきて雑巾を縫うだけでも十分だと思うのだが先生はエプロンのセット教材を買わせないと授業ができないと思っているのかもしれない。

　それでミシンの授業は担任一人では面倒を見切れないからというわけけで、地域の学習ボランティアに手伝ってもらっている。３～４人のボランティに来ていただいて先生はとても助かっているようである。

　それでミシンの単元に入る前に調子の悪いミシンが４台ほどあると言われたので様子を見てみることにした。ボビンに糸を巻いて、水平釜にセットして、ボビンのふたに書いてあるとおりに糸を通して下糸は完了。上糸もミシン本体に書いてあるとおりに糸を通してセット完了。ちょっとタオルを縫ってみたら２台は何の問題もない。残りの１台はランプ切れ、もう１台は針が下りた時に水平釜のカムが上糸を引っ掛けてくれないため下糸を引き上げられないようであった。これはさすがに針とカムの動きがズレているから調整する必要があるからジャノメ郡山営業所に修理を依頼することにした。ついでにランプの交換もお願いして手配完了。

　その日のうちにサービスマンが来てくれてちょちょいと直して行ったようである。オレは出張があって針とカムのタイミング調整の仕方を見ることができなくて非常に残念ではあったがまた今度の機会に期待しよう。

　ミシンの単元が始まってからも２台ほど調子が悪いミシンがあると言われたので見に行くと、１台はボビンの糸巻きをするための軸についているはずのボビンを止めるバネがなくて空回りして糸巻きができないのでこちらはいずれ修理に出すがしばらくは保留。もう１台は下糸が布に絡まってダマになってしまうというのでボビンを見てみたら純正ではないボビンが入っていた。前の学校はシンガーのミシンで町の電気屋の奥さんにボビンは必ず専用品を使うようにうるさく言われていたので、一昨年だったかまとめて購入した時に間違いなくジャノメの専用ボビンを購入したのだ。

　このボビンはどうしたのかと聞いたら、担任が１００円ショップで購入してきたと言う。しかも自腹で。オレに言わせれば安いから自腹で良いという訳ではないし、保護者負担などもってのほかである。先生には教科の予算で買えるのだから自腹など切るものではないし、ボビンは専用品でなければならないことを話した。

　純正ボビンに取り替えて手順どおりに糸を通して試し縫いしたところ全く問題なかったので、やはりボビンのせいだったのだろう。
　ミシンは繊細で精密だけれど、手順さえ間違わなければ美しい縫い目を残してくれる。機械は使いようなのだ。