takubonpapa blog

 日常の出来事や感じたこと、Mac、バイク、キャンプ、さだまさし等について書いてます。

子どもの貧困

2008-10-23 23:09:38 | 最近読んだ本
 定価2300円+税とちょっと高く、385ページとぶ厚いので全部読み切るのはちょっと大変ですが、研究者や現場の方が分担して執筆しており目次から興味のある部分を拾って読むだけでも刺激になると思います。

 最近出されている格差と貧困関係の本は結構読まれていると思います。それらの中で「貧困は見ようとしないと見えない」とよく書かれています。これまで貧困の研究そのものが少なかったことも言われています。その中で子どもの貧困を取り上げることは更に少なく、福祉と教育と子どもの権利など多角的に現状を掘り起こしている書籍は非常に珍しいと言えます。

 この中のある研究者の一文を紹介します。『私の最初の論文は、児童養護施設の卒園者の生活調査であった。北海道内外のあちらこちらに出かけて生の話を聞き取るのは、勉強になった。「論文」にまとめたときは、「仲間を売った」ような気がして複雑な思いだった。副題に「貧困の固定的性格に関する一考察」とつけた。抜き刷りを手渡したある年長の大学教員が、「貧困ですか。いまどきご苦労さんなことで」と、軽口をたたいた。私はへらへらと笑っていたが、その時に感じた怒りもまた、きのうのことのように思い出せる』という一文ですが妙に心に響きました。良心的な研究者や実践者によって掘り起こされた子どもの貧困問題を流行りで終わらせるのではなく日本の立ち後れた福祉政策を動かす力になることを切に願います。

 この本を手にとって福祉政策が立ち後れている日本の現状を知り、ひとり親世帯の生活の苦しさを知り、子どもの貧困の現実を知る事ができました。共働きの公務員世帯でもやっと生活している自分を省みて、その半分以下の収入で生活をしている世帯があることに思いを馳せ、そういう家庭の保護者やそこに生まれた子どもたちに寄り添うことができる学校事務職員でありたいと思いました。そして教員にこそ子どもの貧困の実態を知って欲しい、知らせる必要があると思いました。

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