全事研徳島大会の要項が届いたので目をとおしてみた。キーワードは「つなぐ」ということらしい。改正教育基本法の「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」がベースにあって、学校・家庭・地域をつなぐ学校事務組織を追求するらしい。その組織がいわゆる共同実施組織であることは言うまでもなく、これまでの共同実施を整理し「地区学校事務室」という新たな共同実施の方向性を探るのだそうだ。
新たな発想として学校と地域との連携を問い直し地域との連携のあり方について、学校観・学校事務観を転換し、地域連携における事務職員の役割・機能、学校事務組織のあり方を考えるとしている。これは想像するにこれまでの学校にいることのこだわりをすて学校から離れた立場で学校と地域のパイプ役にでもなろうということだろうか。あるいは学校の中にあって学校から独立した組織として、地域と連携するときの窓口というイメージであろうか。いずれにしてもその組織の長には管理職事務長を置くのであろう。
数年前にぶちあげていた「子どものゆたかな学び」や「カリキュラムとの関わり」などが後退し、「つなぐ」を全面に打ち出してきたことの意図は何なのだろう。
全体的に抽象的な表現ばかりで、じゃあ俺たちは何をするのかという一番大事なところが見えてこない。子どもの貧困に向き合うことや、子どもたちが安心して学校に来られるための条件整備に触れられていないことも残念である。ただ学校・家庭・地域の連携の重要性はオレも認識しているので、あくまで学校の中の教職員の一員として学校運営協議会などの組織に財務担当者という立場で関わることは必要であろうと考えている。また、第6分科会で「教員との共同による学校経営の活性化」について考えるとあるが、学校事務組織や管理職事務長が教員を管理する立場ではなく協力協働という立場で学校づくりの視点を大事にするなら面白いかもしれないと感じた。
最終的には組織→職制→管理職事務長という制度を目指すであろうから期待はしていなけれど、むしろ中身よりも組織ありきになってしまうことを危惧している。ただ組織の大きさや集客力だけは認めるので単なる行政職員ではなく、唯一の行政職員でもなく「学校の職員」にこだわって有意義な大会になることを期待したい。
全事研の大会に参加したことないので詳しくはわかりませんが、広報などで情報を得ると毎年数千人単位で参加者がいることに驚きを隠せません。研究内容がどんなものにせよ、その研究内容に惹かれて参加してるのでしたら、学校事務という職が目指すものは共同実施なのでしょうか。少なくても大多数はそのベクトルを持っている。全国1万人としたら、3千は共同実施、1千は他、残りの6千は……。きっとこの6千をどう動かすかがキーなのかもしれません。
わたしも事務研の役員をやっていて、より良い研究活動を目指し力をそそいでいるつもりですが、意識が高いのは3割くらいでしょうか。7割は輪番で役員をやっていたり、頼まれて何となくという参加だったりしています。
全員が全員というのは難しいと思いますが、6割くらいの心を動かす研究活動をしていきたいと思っています。
全事研も、どうしたら学校という場所で事務職員が力を発揮していけるのか。子どもたちの教育現場で働く意味をもう少し追求していくことが必要だと思います。自分たちの身分や立場を守ったり強くしていくことだけ研究していたらそのうち文科省にもそっぽ向かれる時は近いのでは……
全事研大会の参加者については、勝手な想像ですが、地元都道府県の事務職員約1000人は動員ですのでそれほど意識の高くない人も含まれており、旅費が出るから参加するという会員が半分くらいはいると思います。
約6割の人たちが何も考えていないというのは私も同感で、与えられた最低限の給与・旅費事務だけやっていればいいという事務処理屋が多数派だろうと思っています。部活動指導に仕事のやりがいを感じる人たちも結構いて、学校づくりの視点ではそれも大事なのですが、学校事務職員としての専門性がないので究極の自己満足でしかないと思います。(これも勝手な決めつけです。)その多数派の意識を変えるのが事務研の役割なのだろうと思います。
学校事務職員が学校や子どもにこだわらなかったら、学校事務職員ではなく教育委員会事務局職員と同じ行政マンになってしまうのではないでしょうか。もしかしたらそうなりたいと思っている人たちが全事研を動かしているのかもしれませんね。