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(画像はイメージで本記事とは無関係です)
とある街に、
三代に渡ってまずいうどんを提供しているうどん屋があった。
近くにうどん屋がないので、
我慢して食べてくれる数人の客で、
店は成り立っていた。
この時点での、
このうどん屋の最大のライバルは、
『どん兵衛』と『緑のたぬき』やった。
そんな時に、
近所に、
丸亀製麺が出来た。
それでうどん屋の主人であるシゲ丸は弟子で店員のフジ丸を連れて、
丸亀製麺に行き、
ウチらの商売が成り立たないから引っ越すように勧告した。
が、
丸亀製麺側にせせら笑い対応を受けてしまう。
仕方なく、
シゲ丸は、
うどん屋からラーメン屋へと、
商売変えをすることにした。
シゲ丸は、
昆布だしとイリコで豚骨ラーメン🍜を作った。
食った客は、
気絶する😵ほどまずいという低評価を下した。
おまけに豚骨味の、
『きつねラーメン』だの『海老天ラーメン』だのが超不評で、
シゲ丸は悲しくなった。
そして、
近所で流行りの人気ラーメン店に、
フジ丸をスパイ店員として、
レシピを盗むように指示した。
その際シゲ丸は、
「フジ丸よ!レシピを盗まないならば死なねばならない❗️」と厳しく言いつけた。
フジ丸は、
「あなたの言われることはすべて行います。あなたに平和がありますように」と返答した。
フジ丸はこうして、
近所の人気ラーメン店である『満ち乱』に、
スパイ店員として潜り込んだ。
『満ち乱』は、
若い経営者が独自の絶品ラーメンスープを編み出したという評判の店で、
数人の若い店員が働いていたが、
フジ丸が一番働いた。
ある夜、
フジ丸は、
『満ち乱』の経営者に酒を飲ませ、
レシピを聞き出した。
そして、
人気のない神社まで行き、
鳥居⛩️のところに、
レシピのメモを入れた、
コーラの空き缶を置いて、
すぐに立ち去った。
しばらくして、
シゲ丸が神社に来て、
鳥居⛩️のそばのコーラの空き缶を拾って、
持ち帰った。
数日後、
シゲ丸の店の評判が良くなり、
客が増え出した。
当然、
『満ち乱』も対抗策として、
焼きラーメンを開発した。
フジ丸は『満ち乱』の経営者に酒を飲ませ、
焼きラーメンのレシピを聞き出した。
が、
神社の鳥居⛩️に、
「ここに空き缶を置くものは数兆年の神の祟りを受ける」と書かれていたので、
恐れた。
それで、
シゲ丸が何気なく歩いているところに、
フジ丸も何気なくカスタネットを打ちながらやって来て、
すれ違った。
が、
このカスタネットの音で、
焼きラーメンのレシピをモールス信号として、
シゲ丸に伝えていたんやった。
が、
ある日、
通りがかりの青年に、
モールス信号を見破られたので、
このやり方を諦めることにした。
『満ち乱』では、
シゲ丸の店が同じ物を提供することに驚きつつ、
次なる対抗策として、
イベリコ豚をラーメンスープに漬けたもので、
「イベ餃子🥟」を作り上げた。
これが大人気となり、
客足はシゲ丸の店から『満ち乱』に流れた。
ある夜、
フジ丸は『満ち乱』の経営者に酒を飲ませ、
「イベ餃子🥟」のレシピを聞き出した。
そして夜道に、
厚化粧して着物姿のフジ丸が三味線弾きながら歩いていると、
向かい側から、
同じく厚化粧して着物姿のシゲ丸が三味線弾きながらやって来た。
二人はすれ違いざまに、
「イベ餃子🥟」のレシピについての呟き合いをして、
そのまま、
別々に、
三味線弾きつつ歩き去った。
翌日から、
シゲ丸の店で、
『満ち乱』に出されている「イベ餃子🥟」が提供され、
『満ち乱』よりも安くしたので、
客足が戻った。
『満ち乱』側では悔しさの中で営業したが、
ラーメンスープでチャーハンを作ることが大成功した。
この商品は「ラーチャー」と名付けられた。
「ラーチャー」開発から七日後、
そこにまたフジ丸が酒を持って来て、
『満ち乱』の経営者を酔わせ、
「ラーチャー」のレシピを聞き出した。
フジ丸が外に出たことを確認した『満ち乱』の経営者は、
ソルマックを懐から出して飲んで、
酔いをさました。
とある峠道に、
頭を丸めたシゲ丸が袈裟姿で数珠📿を持って、
ミエミエの地蔵のハリボテに手を合わせ、
「お地蔵様。ラーチャーの秘密をお教えください」と言った。
すると、
ハリボテ地蔵の中からフジ丸の声が響き、
「ラーチャー」のレシピが語られた。
が、
この一部始終を、
『満ち乱』の経営者と店員たちに録画されてしまった。
「スパイ防止法」が制定されてなかったので、
罪には問われなかったものの、
その地区の飲食業界にヒンシュクを買ったシゲ丸の店は、
閉店を余儀なくされた。
その後、
シゲ丸は喫茶店経営に舵を切ることになった。
そして、
フジ丸を、
遠く離れた地にある、
有名コーヒーショップに働きに行かせた。