三月も終わりと言うのにこの寒さはどうしたのだろう。
何時も温暖なこの西海岸の地も遥かに望む山の頂は雪で覆われ、下界はどんよりと曇っていて雨が降ったり止んだりで薄ら寒い。
この愚づついた気候が来週初め頃まで続くとテレビは報じている。
本来なら家に篭ってなどいない浦島殿と乙姫はパットしない外にはやっぱり気が向かない。
否、其のせいばかりではない。
日本で散々お金を使い果たして来た後ろめたさもあって少しおとなしくして居る。
旅行に出る前はバジェットはあるのだが一旦出てしまえばそんなのとんと忘れて出るものは出ると言う訳で結構存分に
使ってしまった。
そんな訳で今日は浦島殿を家来にケッチンのキャビネット、食器類を全部出して大掃除をして大満足、
大満足なのは私であって浦島様は不本意ながらも私に従って居るだけで、出来ればあちこちやって逃げたがる。
今日はケッチンだけで明日はお客さん用のダイニングルームのキャビネットとリビングルームにある飾り戸棚を
クリーンするつもりだがそれは明日になってから頼むつもりでいる。
食器が多すぎて中々大変な仕事なのです。
その代わり今日のお昼はご飯を炊き、天ぷらとアジの干物と納豆を用意してやった。
〇〇とハサミは使いようと言うじゃないですか。
処が我が家は呑気なことばかりは言っていられない事態が発生した。
ロスに住む次女は二人の娘を抱えて十年くらい前にシングルマザーになって一人で頑張っている。
その娘からの電話で彼女の頚椎(多分ヘルニア)を緊急で手術をせねば首から下全身が不能になると言われ、病院の部屋の準備を待って
いるとの連絡を受けた。
何としたことか、高校で生物学の教師をしながら二人の娘を育て頑張って居るのに。
娘はあの小さな身体でクラスの男生徒の喧嘩を止めようとして中に入りその時傷めたらしい。
私はこの娘だけが気がかりだった。
いくら嘆いたって起こったことは受けて立つしかない、私達は何時でも出かけられるように準備をして待機している。
幸いなことに他の娘も、息子も応援を申し出てきた。
お母さんたちだけでは無理だから交代で行くようにすると言ってくれた。
若い人たちは皆それぞれ仕事を持っているし、特に長女は自分のクライアントを休ませる羽目になる。(精神、心理学のカウンセラー)
で患者を抱えている。
其れにここからロスは遠すぎる。
万が一にも手術が成功せず再起不能になったらと不安も過ぎるが、その時は私達が引き受けようと不思議なほど心が
座ってしまった。
世の中には色んな人生があるのだからこれも仕方のないことなんだなあと。
私たちも高齢だから何時まで持つかは分からないが今日一日を悔いなく生きることにしているので大丈夫なのです。
今から七十数年前の乙姫です。
私にもこんな時があったのに今は毎晩ベットの中で一人一人の家族の幸せを思って休むのが習慣になっています。
今回実家から出てきた写真です。 この叔母を母のように慕って育った私です。
この時の事を鮮明に記憶しています。