春の陽気に誘われコロナ禍による閉じ籠生活に嫌気がさし釣り道具を車に積み込み山に向かった。いざ目的地に着いてみると、イノシシ除けの柵がそこら中に張り巡らされ川に行けないようになっている。
山奥なら柵は無いだろうとクルマを走らせ奥山に入り込んでみたが何処も同じでがっかり、沢のほとりで食べようと持参したオニギリを萌黄色に染まった山を見ながらキャンプ場のベンチに座って食べ山菜でも買おうかと立ち寄った産直市場で、ヤマメを売っているのを見て土産にした。近代化と言おうか自然界の変化か以前のようにたやすく渓流に行けなくなってしまったのは寂しい。
もてあました時間を久しぶりにヤマメの燻製作りにあて実は一斗缶で自作した燻製器に熱源として電気コンロを仕込みリンゴのチップを入れた金属灰皿で燻す簡単なものだ。
煙がもうもうと立ちこむので、火事を間違われ騒動になるらないよう、お隣のご主人に燻製作りでご迷惑をかけますと断わりを入れ始めた。すぐにチップが燃え尽きてしまうので付ききりで継ぎ足し2時間かけてようやく完成
かるく焼いて身を手でちぎりながら角瓶の水割りを呑む、渓流魚の上品で淡白な味は残しながら塩味と胡椒のスパイシーでスモーキーな味わいはこれぞアウトドア料理、とにかくウエスキーに抜群の肴だ。