Truth Diary

ハチドリのひとしずく

 「北の国から」など人気ドラマの脚本で知られた、倉本聰さんは1977年北海道富良野に移住、1984年から私塾「富良野塾」を主宰している。そのなかで環境活動に感心を持たせるための、特別講座からのはなしを紹介します。

 元ゴルフ場だったところに木を植えて森を再生し、体験型環境教育を実践しようと2005年に、西富良野岳の麓に作った、「富良野自然塾」。ここには素足で、目隠しをしてパートナーに手を引かれながら歩く「裸足の道」や、地球46億年の歴史を460メートルの道で再現した「地球の道」がある。

 地球全体がマグマで覆われていた時代から始まり、高温と凍結を繰り返し、恐竜時代や氷河期を経て現代にいたるまでの長い道のりを、インストラクターに説明を聞きながら歩きます。

 驚くのは、46億年を460メートルとすると、人類が誕生してから現在までの20万年は、ゴール手前のたった2センチメートルだということです。

 インストラクターの話は「人類が石炭を使って産業革命を興したのは、いまから200年ほど前。この道でいうとわずか0.2ミリメートルです。この0.2ミリメートルの間に、私たちは何億年もかかってつくられた化石燃料を使いまくり、大量のCO2を排出し、460メートルの地球の歴史をぶち壊そうとしている」との事。

 南アメリカの先住民に伝わる民話に「ハチドリのひとしずく」という話があるそうです。山火事が起こった森林で、小さなハチドリが一滴ずつ水を運んで、火を消そうとします。そんなことをして山火事が消せるかと、動物たちは笑います。でもハチドリは真剣に言います。「自分にできることはこれくらいだから」と、地球規模の環境破壊からみれば倉本さんのやっている「富良野自然塾」の活動は、ハチドリの一滴に過ぎないかもしれないが、すべては一滴からしか始まりません。

 子供や孫に、「なぜ、地球がこうなるのを知っていて、 何にもしなかったの?」といわれた時、「言い訳できるだけの事をしておきたいとは思いませんか」、とのインストラクターの話、考えさせられます、私達はどんな”ひとしずく”を運ぶべきか。

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