Truth Diary

終戦によせて

 今、戦争というと兵士を含めて悪の象徴だが、従軍した兵士には職業軍人もいれば職場から駆り出されたり、鍬を鉄砲に持ち替えて慣れない戦場で苦労した社会人・農民兵士も多くいた。
 彼らは志願した職業軍人と比べてはるかに階級難しく、常に最前線での過酷な戦いを強いられた。
 軍隊に行かなければよいと知らない人は考えるだろうが、当時召集令状が来て拒否すれば非国民とされ、本人はもとより家族親族まで酷い仕打ちが待っていて到底抗う事は出来なかった。
 戦況が不利となり根こそぎ応召をうけて出征したにわか軍人の多くは戦場で弾に当たって死ぬ者より栄養失調で亡くなった兵の方が多かったようだ。
 制海・空権を失い、補給を断たれ弾薬も食料も前線に届かず常に飢餓と戦い、栄養失調で野戦病院のベットに伏し、祖国への生還を切望しながら果たせなかった兵を想うと慙愧に耐えない。  それら兵士が「戦争栄養失調死」との死亡告知書のみで遺骨もなくが帰還した。その遺族の無念さははかるべくもない。
 応召で職場から駆り出された兵士は、志願して軍人になった将校クラスとは待遇において比べものにない格差があった事だろうし戦病死者の多くはそうした、にわか兵士だったようだ。一般に兵士と言っても様々なのに戦争は悪く、軍人全てが悪いと切り捨てられるのは公平ではない、兵士達ははそれぞれに生き、夫々正義は有ったはずだと思う。

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