ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

しゃぼん玉

2020年11月17日 | 激辛こきおろし篇
田舎の婆さん一人住まいの家があんなに小綺麗なわけがない。トタン屋根はペンキで塗り直され錆び一つない。お寺の境内のように整然と砂利がひかれた庭には雑草一つ生えておらず、犬小屋もなく野ざらしの柴犬は、なぜかきれいにトリミングされ薄汚れていないのだ。『ぽつんと一軒家』に登場する老人が一人で住んでいる家屋と比べると、すえ婆さんが一人で暮らしているこの家屋がリアリティに欠けるTV的なセットであることがよくわ . . . 本文を読む

ホテル・ムンバイ

2020年10月15日 | 激辛こきおろし篇
ひどかー映画たい。登場人物に葛藤がなかって、こげな映画んこと言うんやなあ。テロ4人組ば主人公にした方が、よっぽどよか映画になっとたんじゃなかか。主人公のターバン男、靴がちっこすぎて靴擦れがおったかとばってん、ほんなこつ我慢なしてホテルにようけ留まったちねーって、そげん映画誰が見たがると。イスラム教のスンニだかシーアだかようわからなばってん、ブルだかボスだかからつながっとる携帯無線、充 . . . 本文を読む

クラウド アトラス

2020年09月07日 | 激辛こきおろし篇
『クラウド アトラス(天に歯向かうもの)』=絶対的権力に立ち向かうものを6つのオムニバスにまとめたSF大作。奴隷制度を仕切る資本家、クラシック作曲の大家、老人ホームの管理人、原発メジャー、クローンリサイクルセンター、そしてほろびゆく地球の運命…平身低頭従わざるをえないそんな絶対的権力に、時空を超えていどんだ人間たちの物語である。しかしウォシャウスキー姉妹はこの映画でとんだヘマを♪やら . . . 本文を読む

イコライザー2

2020年08月08日 | 激辛こきおろし篇
1では確かホームセンターの平凡な販売員だった主人公、ロシアンマフィアを壊滅させて流石にいづらくなったのか、本作ではいつのまにかUberと契約するタクシー運転手にリクルートしている。映画冒頭いきつけの本屋がなくなっては困るとばかりに、トルコ人の旦那から女主人の娘を取り返しに、わざわざ変装までしてオリエント急行にのりこむ超おせっかいなマッコール。ホテルのスイートで集団レイプされた女をタクシーにのせたり . . . 本文を読む

さらば愛しきアウトロー

2020年07月24日 | 激辛こきおろし篇
どこがアウトローやねん。80を超えた爺さんが今更俳優引退するからってなにがっちゅうねん。こんなんいままでハリウッドの体制にどっぷりつかって甘い汁すうてた証拠やろ。デヴィッド・ロウリーちゅう若手注目監督はんも、こんなんプログラム・ピクチャー撮らされてかないませんわー内心思うてんのとちゃうん?オマージュ、オマージュ騒いどるけど、『スティング』と『追憶』ぐらいしか出演映画見とらんおっちゃん . . . 本文を読む

Us

2020年06月14日 | 激辛こきおろし篇
黒影が出てきたと思ったら白影も出てきて、気がついたら赤影だらけになって、みんな殺られそうになっちゃった?という映画です。ちなみに青影は出てきませんので念のため。エレミヤ11章11節の思わせフリは、本作のテーマとほとんど関係ありません。現実的にUSで白人に逆らうと最近NEWSで話題の警官の膝で窒息死させられた人みたいになっちゃうわけで、黒人が白人を“キル・ゼム・オール”に . . . 本文を読む

夢売るふたり

2020年06月10日 | 激辛こきおろし篇
西川美和がスランプに陥っている。前作『ディア・ドクター』で、ディレクターとしての自分の才能に対して自信のなさをうかがわせるような演出がとても気になっていたのだが、長編4作目となる本作を見る限りどうもビンゴのようだ。オリジナルの脚本にこだわり続けている西川美和の「これだよ、これこれ!」と思える場面にまったく出会うことができなかったのである。デビュー以来真実と嘘の境界をずっ . . . 本文を読む

アンダー・ザ・シルバーレイク

2020年05月03日 | 激辛こきおろし篇
アメリカの薄っぺらなポップカルチャーを描くために、表現もうすっぺらくしたら、薄っぺらそのままの評価を頂戴してしまったという作品。映画ラストで、主人公が滞納していた部屋を見学にやって来た新しい住人が、部屋のイタズラ書きを見つけて思わず「けしからん」と罵り始める。それをむかいの部屋から自嘲ぎみに眺めるガーフィールド君。この映画に対するそんな評価は見こしていたよ、とでもいいたげなデヴィッド・ロバート&# . . . 本文を読む

LION/ライオン~25年目のただいま~

2020年04月06日 | 激辛こきおろし篇
5歳のときインドで母親と生き別れになったサルー。回送電車に乗って眠りこけてしまったがために見知らぬ土地まで運ばれてしまったサルー少年は、怪しい男に売り飛ばされそうになる寸前で、放浪中優しい声をかけてきたお姉さんの家を脱走、孤児狩をする組織には捕獲されてしまうが、これまたあやうく売り飛ばされる前に善良なオーストラリア人夫婦に貰われることに…行方不明になってもほっぽらかしの子供たちは、イ . . . 本文を読む

ジョン・ウィック:パラベラム

2020年03月19日 | 激辛こきおろし篇
キアヌ・リーブスもとうとう55歳。『マトリックス』新シリーズで再びネオを演じることになったらしいが、いつまでアクション俳優を続けるつもりなのだろう。本シリーズは1カット長回しの連続バトル・シークエンスが見所になっているので、演じる役者も相当な体力消耗を強いられるはず。しかも今回その首にさらなる高額懸賞金がかけられたウィックは世界中の殺し屋を相手にしなくてはならなくなり、 . . . 本文を読む

ヘレディタリー/継承

2020年02月06日 | 激辛こきおろし篇
めたらやったら首がもげたりー、“こッ”って言ったりー、丸焦げになったりーする思わせ振りなシーンが続く割には、全然怖くない。出来の悪いお化け屋敷のようななんちゃってホラーといっても過言ではないだろう。“21世紀最高のホラー”が聞いてあきれる巷の評価とはかなり“隔たり”ある1本だ。アートなミニチュアハウス作家のアニー(トニ・コレット)の母親エレン . . . 本文を読む

Upstream Color

2020年01月31日 | 激辛こきおろし篇
テレンス・マリックとの共通項をあげる人が多いシェイン・カルース。普遍性に欠ける(一人よがりの)メタファーの使い方や細胞をアップにした顕微鏡カットの多用が、観客にそういった印象を与える所以であろう。やれカルトだ、ポスト・ムービーだのと騒がれているが、はっきりいってモリすぎだ。本作にかぎっては、日本語字幕がなくともなんとなくストーリーが理解できるほどプロット自 . . . 本文を読む

ビューティフル・デイ

2020年01月13日 | 激辛こきおろし篇
サイコキラー役といえばデニス・ホッパーかロバート・デ・ニーロが定番中の定番だったが、最近のサイコ映画にでは必ずといっていいほどこの人ホアキン・フェニックスの姿を目にする。この人台本にものっていないアドリブを平気でかますことでも有名で、撮影中ナイフ片手に『サイコ』の真似をしたシーンを採用した結果、1万5千ポンドもの罰金を支払うはめになったというから、笑うに笑えない“ジョー . . . 本文を読む

アースクエイクバード

2020年01月11日 | 激辛こきおろし篇
いくら外国人でボッチだからといって、道端でいきなり写真を撮られ声をかけられた男の家にのこのこと着いて行ってはいけない。日本人の男性はみな親切で優しいというのはいまや迷信、道を歩けば変態に当たる確率は非常に高いのである。日本語を猛特訓したと思われるスウェーデン出身のアリシア・ディキャンデルちゃんが、J Soul BrotherのNAOKI相手にどこか心に闇をかかえた女性ルーシーを演じて . . . 本文を読む

ナミヤ雑貨店の奇蹟

2019年07月09日 | 激辛こきおろし篇
本業よりもなぜかお悩み相談サービスの方が有名になってしまったナミヤ雑貨店。その店主が死に空き家状態の雑貨店に、別の所で押し込み強盗を働いた3人の少年が逃げ込むと、閉じられたシャッターの郵便受けに30年前に書かれたお悩み相談の手紙が投げ込まれ… 過去と未来の文通というのは皆さんご指摘のとおり『イルマーレ』と同じアイデアだ。物凄いペースでそこそこのクオリティを保った小説を量産し続ける東野圭吾にはゴ . . . 本文を読む