昨日は口唇裂児、口蓋裂児の哺乳の勉強会に参加してきました。
口唇裂とは唇が、口蓋裂とは口の中の天井部分が先天的に裂けて生まれてくる障がいです。
唇や口の中に裂があるので、哺乳や発音に影響がでる児が多いです。
言語聴覚士は上手く哺乳できるように、姿勢や人口乳首の選択、唇の訓練や母親指導などで介入します。
昨日はそのような内容の勉強会でした。
私はまだ担当したことがないので、未来への投資の時間でした。
小児のリハビリに関わると思い出すエピソードがあります。
私が学生時代、実習で見学させていただいた、
染色体異常の難病の子ども(5歳くらい)の摂食訓練の見学でした。
その子は病気のために、歩くことも話すことも、食べることも難しくリハビリを頑張っていました。
その母親が素晴らしかったのです。
その母親は仕事をしていました。子どもに付きっきりになりそうですが、子どもをあらゆる機関に預けたり、頼んだりして仕事を継続されていました。
そして、仕事をしている理由は二つあると言われました。
一つ目は子どもの人生と私の人生は別であると。
子どもの為に好きな事ができないというのは私は違うと思うと言われていました。
二つ目は子どもが小さい頃から地域の福祉・医療機関に沢山お世話になって、この子を皆んなに知ってもらいたい。
この子は大きくなっても一人では生きていけません。
親の私はこの子を残して死ぬしかありません。
だから小さい頃から沢山の人と関わって、私が死んでからも皆んなに可愛がってもらう環境を作る必要があるのです。
子どもが生まれて大変な時期にここまで考えておられる母親に驚きました。
極め付けは
そうそう、2人目を妊娠しました!
と嬉しそうに報告されました。
医師いわく、2人目もほぼ100%同じ病気になるそうです。
周りの人から色々言われたけど、もちろん生みます!と明るく軽く言われました。
だって、こんなに可愛い子がもう1人生まれるなんて嬉しくて仕方がありません。
2人目を生まない選択をすると、1人目を全否定しているようでしょ?と。
何が正解か分かりませんが、母親の愛情の深さ、障がいの捉え方に深く感銘を受けました。
今でも忘れられない思い出です😊