私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。
今日は60歳の右片麻痺、失語症の男性の所へ伺いました。
その方は定年後の再就職に向けて資格取得の勉強中に倒れられました。
その方が言いました。
「もし、病気になっていなかったら、定年後にいくら遊んでも、やりたいことや頑張ることを探してモヤモヤしていたと思う。」
「病気のおかげでそのモヤモヤはなくなった」
その方は発症後もリハビリを頑張りながら、旅行や美術館へ行ったり、ランチを楽しんだりされています。
病気になっても身体を動かす趣味はできなくなられましたが、できる趣味を楽しまれています。
退職してぽっかり空いた穴に病気とリハビリが入り込んでしまう人を多くみかけます。
仕方がない側面もありますが、この方のように可能な楽しみを謳歌できている方は少ないかもしれません。
退職後にどのように過ごすか具体的に考えないで退職を迎える人がそのような傾向があると考えられます。
特に男性に多い印象です。
日本人は真面目で常にやり甲斐や生き甲斐を求め過ぎているとも思います。
退職はしたけれど心身共に元気であれば何か社会貢献をしなくてはならない。
退職前にもっと頑張れた筈であったというモヤモヤを引きずっているような。
私も40代となりもっと仕事(社会貢献)を成し遂げたいという気持ちと現状とのギャップはあります。
それはきっと何歳になっても変わらないのでしょう。
そこで苦しむよりは目の前の好奇心に没頭する方が幸せかもしれません。
たとえスマホで動画を見ているだけでも楽しいと思えるのであれば
スマホの動画を見て無駄な時間を使ったと落ち込んでるよりは幸福度は上がりそうです。
今を楽しむという事はそんなに大それたものではないような気がします。