結婚式の記念として、
二人で綿から糸を紡ぎ 織物を織り、
その布にお祝いの言葉を書いて戴いて記念に残したいと
結婚式を控えたお二人がやって来たのは2017年1月でした。
そして今年は結婚して2年なるので蒲郡竹島で
綿婚式としてお二人で、その時に残った手紡ぎの糸を持って
東京から来てくれたのです。
今度はコースターを織ることになりました。
早速織機に座り三河木綿の手紡ぎ糸を織り込みます
経験者ですから最初から慣れた手つきで織っていきます。
奥様も何の指導もいらない織り方を見せてくれました。
「やっぱり手織りは楽しいです」
と結婚前の当時を思い出しながらの作業です
今年は2年目の綿婚式
堅い愛を確かめるように強く織り込まれています
外の竹島を懐かしく眺めながら
二人の共同作業が今年も続きます
縦の糸は あなた
横の糸は わたし
今度来るときは赤ちゃんと一緒に来てくれるそうです。
一家で綿に縁がありそうですね
〈以下は2017年1月のブログを再現します。〉
東京のカップルが自分達の結婚式に、
意味あるものを作りたいと相談があった。
結婚式にお客様を招くテーブルを飾る布を作りたい。
一から二人の手で作ったものにしたい。
と言うことで、お二人はネットで調べた結果、
竹島クラフトセンターのブログの[綿婚式]の
記事を見つけて相談に来たのです。
東京からお出でいただくので時間と費用も考えて電話でのやり取りの結果、
お二人が紡いだ糸で紐を織りたいと言いましたが、
真田紐をご来場者全員分を織るには25m以上
織らなければならないので、時間的にも無理だと
いうことで各テーブルを飾る布を作ることになりました。
最初からお二人で協力して作る意味を大切に考えました。
早速、第1日目の朝は棉の収穫からスタートしました。
広い棉畑の中でビデオ撮りをしたかったのですが、
棉畑はすでに棉の木を刈り取ってしまった後なので
クラフトセンターの花壇の綿の収穫が、
これは、棉の種取り作業の綿繰りです
キーコと音を立てながらお二人は懸命の作業です。
「あれ、不思議ですね、なぜ綿の糸が分かれるでしよう」
沢山の綿を作らなければなりません、
くたびれて休憩です。
「さあ〜、もっと頑張るぞ」
そのあと、古来の弓を使った綿打ちをしました。
「ふあふあになったよ」
綺麗な綿が出来上がっていよいよ糸紡ぎの作業です。
次の糸紡ぎ車の登場で不安気味のお二人、
「なぜ?なぜ糸が出来るの?、これを私がやるの?」
彼が見守る中を緊張気味のお嫁さんです。
「出来たわ、凄い!、糸が出来てくる」
「あ!、切れた」
「大丈夫です直ぐ繋がりますから」
「おー、できるよ、凄く楽しい」
「今度は私よ、上手でしょ」
慣れてきて、もう二人は職人さん気分です。
日本の綿を紡げる人は本当に少ないですよ、
自分で作った糸を使って披露宴を飾る布を織るなんて
私も考えたこともないのですがやれば出来るんだ。
2日目は、機織り作業です。12個のテーブルに置く布を織らなければなりません、
大変ハードな1日になりそうです。
自分で紡いだ糸から織り込まれていきます
トントンと緯糸が打ち込まれていきます。
お二人の懸命な作業で沈黙が続きます
一本一本シャトルが通り糸が打ち込まれます。
「凄い、本当に布ができてくる」
「信んじられないね、昨日まで木に成ってた棉が織物になっている」
2台の織機から長く織られた布が現れてきました。
「できたー!」
とお婿さんの緊張が解かれ安堵の声が聞こえます。
披露宴でこの布がどのように使われるかは今はシークレットですが、
私も二人の熱意に押されてやってみました。
やれば出来る!
お二人で作り上げたこの気持ちを大切にして”愛を育んで下さい。
おめでとうございます。
結婚式は神社婚なので、西暦799年三河の海へ日本で初めて綿が渡来した事を
記念して建てられた天竹神社由来の三河地棉を使った糸で織物ができた意味も
あって良かったと思います。
新婚旅行とは言わないですがまた蒲郡へおいでんよ。