光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

東京国立博物館 浮世絵の桜

2011年05月02日 | アート 浮世絵・版画

今年の4月9日のトーハクから。
庭園の桜や刀剣などは紹介しましたが、桜にちなんだ作品の紹介が遅くなってしまいました。 桜にちなんだ作品には説明プレートに桜花マークが入っています。



歌川派の祖、歌川豊春の美人画。
日本美人の艶やかな姿に魅了されます。
  



広重の桜が多く展示されていました。
京都での題材。 広重は35歳のとき、東海道を往復する機会があり、そのとき描いたものか。



同、嵐山。



遊郭のあった吉原の夜桜。  歌川国貞の吉原の夜桜も併せて。 







隅田川の堤の桜も名所だった。 雨中の桜も、広重の眼には風情があって良かったのでしょう。



ピンボケの写真ですみません。 向島から見た夜景。 対岸は吉原近くの山谷堀で、こんもりと盛り上がったところが真乳山。



玉川上水沿いの桜も。 新宿御苑近くの風景とのこと。



上野の清水堂と不忍池。



最後に、広重の花鳥画です。

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東京国立博物館 浮世絵(H22.11.20)

2011年03月30日 | アート 浮世絵・版画

ト-ハクシリーズの浮世絵で、以前紹介した北斎と歌麿以外のもの。東京国立博物館(H22.11.20撮影)



広重の名所江戸百景から「深川萬年橋」
大胆な構図ですね。  手桶と橋の欄干を縁取りに吊るされた亀。
近くの富岡八幡の放生会という、囚われた生き物を放してやると善が積めるイベントに因んでいるようです。
それと、亀は万年という言葉からの連想も引っ掛けて。



鳥居清長の浮世絵もいいですね。 顔の描きかたが簡潔にして多彩な表情を描き出している。



清長の画風を学んだ鳥文斎 栄之の作品



窪 俊満の夜景内外の図
この絵も洒落た構図と丁寧に描かれた人物や桜、黒塀がいい雰囲気を放っています。


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東京国立博物館 浮世絵(広重、豊国、英泉)

2011年03月19日 | アート 浮世絵・版画

東京国立博物館へ昨年9月5日に行ったときの作品紹介の続きです。
トーハクへは、この後、11月と今年の1月に2回行っていて、一部は紹介しましたが、まだまだ紹介したい作品は残っています。
紹介するのは、素晴らしいと思った作品だけに絞っているのですが、トーハクの所蔵品が質・量とも凄すぎるため、一生かかっても紹介しきれないと思います。  東京国立博物館はまさに現代のスーパー正倉院です。



さて今日は浮世絵。 広重の神田紺屋町です。
紺屋町は私の会社近くで毎日通っています。 昔は富士が見えたのですね。
広重のブルーが印象的で、構図も素晴らしい。



広重の品川すさき。  この場所は、以前の記事「品川浦の舟溜まり」(2008年8月30,31日)で紹介した所。
当時は広重の絵は知らなかったのですが、絵の地形を見て、なるほどと合点します。



次は歌川豊国の 「高輪散策」3枚
今でも残っている高輪の大木戸の石垣が描かれた左端の図。 イケメンの若者と女性。 一人は黒い箱を抱えている。 御殿山に遊びにでもいくのだろうか。



中央の絵には、揚げ帽子と腰帯を締めた女性とその子たちが描かれている。 小さな犬も



右端の絵。 茶店のお客と看板娘。  顔の向きや描きかたがほとんど同じなのは残念ですが、気品のある顔立ちや体形の優美さに力量を感じます。



歌舞伎役者を題材にした3代目豊国の洗練された絵。



三代目豊国の美人画。 個性ある顔の表現と柔らかな体形ラインの描きかた。



渓斎 英泉の「洲崎の芸妓図」
こちらも女性の顔の表現に味があります。 バックの船の帆柱も印象的。

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東京国立博物館  歌川広重 その2

2011年02月06日 | アート 浮世絵・版画

2月5日(土)は、カメラを持って、湯島天神、岩崎邸(三菱財閥の岩崎家屋敷)、下町資料館へ行ってきました。  広重の江戸百の「湯島天神坂上眺望」の実地調査もしましたので、絵の横に現在の写真を貼る予定です。



広重の浮世絵を続けます。
雪の日本橋を描いた図、構図といい、丁寧な描きと色使いといい文句なしの絵。   



この絵もグレーとブルーの濃淡がよく効いています。



広重のブルーはインパクトがあります。 隅田川の対岸の真崎稲荷と右奥の石浜神社を描いたもの。 



当時は結構雪が降ったようですね。



井の頭池の弁財天。 私は去年の初夏に行きましたが、この絵の面影は結構残っています。

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東京国立博物館  歌川広重

2011年02月05日 | アート 浮世絵・版画

トーハクの浮世絵コーナは、前回訪れたとき(1月9日)は、北斎の富嶽三十六景が主役でした。  今回(1月30日)は、歌川広重が主役で連続10枚の浮世絵が展示されていました。
「京都名所之内」や「東都名所」、そして最晩年の代表作「名所江戸百景」から季節にちなんで雪景色のものが多く展示されていました。
祇園社(八坂神社)の表参道で、足元を気にする女性(芸伎?) 広重のブルーの使い方は西洋にも影響を与えているほど有名なのですが、ここでも、鳥居や石柵などにブルーを用い、雪の白との調和が図られています。



名所江戸百景から湯島
遠近の立体感のある構図。  不忍池などの当時の風景がわかります。 右は現在の写真です。 不忍池は全く見えません。(写真は2月6日に追加)



名所江戸百景・愛宕下藪小路
画面右に竹が見えますが、こちらから奥の方向に藪小路があった。 



名所江戸百景・馬喰町初音之馬場
当時は隣の大伝馬町は大問屋街であり、民事の訴訟を扱う関東郡代の屋敷もあったことから、馬喰町は今で言うビジネスホテルの集結地だった。  ただ、軍馬の管理地としての出発点であったことから馬場も残っていた。
火の見櫓が懐かしい。



東都名所から浅草寺の雪景。 
浅草寺の年の市(12月17,18日)には正月用の用品を買う群集で埋まった。

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東京国立博物館  富嶽三十六景 3

2011年01月16日 | アート 浮世絵・版画

《隅田川 関屋乃里》
隅田川上流の堤を疾駆する3人の侍。 赤富士と赤松、赤茶の服を着た侍、先頭の赤茶の馬、 色使いに工夫が見える。
高札場の札の文字など細かいところも描き込んでいるが、馬の脚の描きかたがワンパターンなのが残念。



《相州 江ノ島》
干潮時に現われる砂洲を渡って江ノ島神社にいく参拝客。 砂洲の波打ち際の、光輝く海の表現がいい。 奇をてらったところが無く自然な表現。



 《相州 梅澤左》
梅澤は大磯と小田原の中間にあった場所。 梅澤左の左は庄か在の間違いだといわれています。
鶴だけがいて、吉祥図との解説が多い。 私は、鶴の羽毛の白黒と富士の白雪と黒い山麓のデザイン的対比も考えていると思います。



《東海道江尻 田子の浦略図》 
万葉の和歌でも有名な田子の浦から見た富士。 
漁をする舟、浜で塩田作業をする人々が蟻のように細かく描かれています。
富士の稜線の弧と、浜の弧、そして舟の弧が響きあう構図になっており、素晴らしい。



《身延川裏不二》 
実際には、身延川沿いでこのように富士が見えるところは無いようです。 
誇張や演出の世界ですが、川の描きかたにもそれはいえて、北斎独特のデザイン感覚です。
また、馬の脚の描きかたになって恐縮ですが、同じパターンです。ただし、馬が近接しており、同じパターンのほうがすっきりしていいかなと思います。



《甲州伊沢 暁》 
甲州街道の石和宿。 暗いうちから旅立つ人々。 当時の人たちは早起きだったのがわかる。 富士も未だシルエット状態。
ここでも、稜線の弧と木橋の弧、手前の山の弧が、構図上の安定をもたらしている。



《諸人登山》 
最後になります。 山梨県立博物館の本図への解説を転載させていただいて終わります。



金剛杖を使って登るもの、疲れて腰を下ろすもの、岩室で体を休めるものなど、富士山頂付近の富士講の人々が描かれている。しらみはじめた空に朝焼けの雲がたなびいている。御来光はまもなくである。「冨嶽三十六景」が信仰の山である富士を主題としていることを改めて強く意識させる一枚である。

※富士山頂
…富士山の山頂は、火口を内陣(御鉢)、その周囲の高所を八葉と称し、大日堂ほかの祠を巡る、お鉢廻りの信者で賑わった。本図には、大日堂に至る駒ケ岳付近の参道に設けられた梯子の様子が描かれている。



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東京国立博物館  富嶽三十六景 2

2011年01月15日 | アート 浮世絵・版画

《相州七里濱》
富嶽三十六景の初期は藍摺りだったらしい。 本図では若干の緑色がのっている。 左端は江ノ島。 構図上、誇張があるのは仕方がないが、少しバランスが崩れている感じがします(中央の樹木の大きさ)。



《深川 万年橋下》
万年橋は、江戸深川を流れる小名木川が隅田川に合流する地点にかかる橋。  北斎は三十六景を書き終えた頃(80歳台半ば)、この付近に住んでいた。 力強い構図がいい。



《山下 白雨》
 白雨は明るい空から降る雨、にわか雨。  稲妻を下にして泰然たる富士の構図、デザインが素晴らしい。 



《甲州 三嶌越》
三島越は甲府から篭坂峠を越えて御殿場から三島へ抜ける道。 篭坂峠の風景とされる。 巨木の幹周りを測ろうとする旅人と富士。
ラーメン丼に描かれるような雲の表現が面白い。 右の荷物を背負っている女の子?はまたも裸足だ。



《東海道 程ヶ谷》
街道を行き交う人々の生活感が素晴らしい。 松並木がリズムを作っている。



《駿州 江尻》
静岡市近くの江尻宿。 強風で飛ばされる懐紙や菅笠が印象的に描かれていますが、何か風の力感がないと思ったら、葦原の葦や草の反り方が風向きと逆。  私が先日、琵琶湖岸で強風の写真を撮ったときの
光景を思うと、どうも合点がいかない。 ところで、ここでの左側の懐紙が飛んでいる女性は、裸足でなく足袋のようなものを履いている。ほっとしました。



《下目黒》
江戸時代、目黒は田園。  段々畑や鍬を担いだ農夫、赤子をおんぶした農婦も左手で子供の手を引き、右手では鍬を持っている。 右の侍二人はともに鷹狩り。  ここでも暮らしを描いた北斎の技量が光る。



《青山円座松》
青山の竜岩寺の庭にあった笠松が当時の江戸でも名所であった。 この絵では松と富士を眺めて酒盛りをする人、手ぬぐいで手をつないで坂を上る親子?松の下で掃除をする人(足だけ)、右端に松の剪定をする人など細かい描きこみ。  富士の急峻な描きと笠松の円の対比など苦心の構図。

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東京国立博物館  富嶽三十六景

2011年01月14日 | アート 浮世絵・版画

特別公開シリーズ3
葛飾北斎の富嶽三十六景のうち、二十二景がずらりと展示されていました。 保存状態も良く、見ごたえあり。
3回に分けてアップします。

葛飾北斎(1760~1849)筆  横大判錦絵  江戸時代19世紀
神奈川沖浪裏



礫川雪ノ旦(こいしかわゆきのあした)
 現代の漢字だと「小石川雪の朝」になるのかな。  原題の漢字のほうが風情がありますね。 



武陽佃嶌  今は高層ビルの林立する埋立地も、小さな島だった。



江都駿河町 三井見世略図  通りから江戸城越しに富士が見えた。 両サイドの建物は三井越後屋。



東都浅草本願寺



駿州 大野新田  
 沼越しに見る富士。 となると右側(東側)の空が焼けているので朝焼けとなる。  しかし、多くのWebサイトの解説では夕景としているものが多い。 左側の背負子の農婦二人は裸足だ。 当時の生活風情が活写されている。

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東京国立博物館 浮世絵(北斎)2

2010年12月03日 | アート 浮世絵・版画

「芥子」  この絵は、ゴッホのタッチを思わせる力強さを感じます。



「九段牛が淵」  洋風なイメージで、いろんなものを吸収しようとした北斎の姿勢が伝わってきます。



滝の落ち口の大胆なデフォルメと、食事を楽しむ見物客の対比など、北斎らしい構図の妙。



富岳三十六景「甲州石班沢(かじかざわ)」   構図が凄い。



「富岳三十六景 甲州御坂水面」

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東京国立博物館 浮世絵(北斎)

2010年12月02日 | アート 浮世絵・版画

9月5日、11月20日に博物館で撮った北斎の絵を紹介します。  北斎は多彩でいろいろな絵を残しています。



北斎の花鳥図


「菊花に虻(アブ)」



動物絵
重要美術品「雉子と蛇」 


「扇面散図」 
この絵を見たとき、驚きました。 上の「雉子と蛇」にあるような少しデロリな世界が薄まり、垢抜けたデザイン感覚が表に出ている。  これが最晩年(90歳!)の作とは・・・改めて凄いと感心しました。

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東京国立博物館 浮世絵(歌麿)2

2010年12月01日 | アート 浮世絵・版画

今日は11月20日撮影の歌麿の浮世絵。
まず「台所美人」
台所で料理に励む姿を捉えた傑作。 今回の一番の収穫。 



「青楼十二時続」
吉原の遊女の生活を12刻に分けて描いた揃い物。
辰の刻:午前8時頃   卯の刻(午前6時頃)に朝帰りの客を見送り、もう一眠りすることが多かったようです。



巳の刻:10時頃
起床、そして朝風呂。 



午の刻:12時頃  昼見世までに髪結い、化粧を済ませます。



未の刻(ひつじのこく):14時頃 昼見世はあまり客も来ず、遊女たちは遊び半分に過ごした。

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東京国立博物館 浮世絵(歌麿)

2010年11月30日 | アート 浮世絵・版画

東京国立博物館シリーズ、今日は浮世絵。
喜多川 歌麿の「風俗三段娘」、以前にも紹介した親の鑑などと近い、女性の品性を絵解きしたもの。



女性が立膝のゆえに中品かな?



下品は、上半身裸となっているのところが理由かな? それでも、下品というレベルではないと思いますが、時代の差か。

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再び国立博物館 本館6  浮世絵2

2010年06月01日 | アート 浮世絵・版画

葛飾北斎の富嶽三十六景シリーズ。  御殿山は今は高層の高級マンションなどが建っていますが、江戸時代は桜の名所だった。
それにしても北斎にしては、少し平凡な構図かな。



歌川国貞の江戸名所百人美女シリーズ。 神田川が隅田川と合流するところが柳橋。  当時、高級料亭や色町があり、賑やかだった。



両方とも首をかしげたポーズ。 国貞の好みだろうか。



写真が不鮮明ですが、優雅な潮干狩りの様子がわかります。



御殿山で観桜、浜辺で潮干狩り、当時、品川は一大レジャースポットだった。

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再び国立博物館 本館5  浮世絵

2010年05月31日 | アート 浮世絵・版画

またまた、国立博物館です。  3月14日に行ったとき、約500枚ほど写真を撮っていて、順次、ご紹介しているのですが、なかなか尽きません。   逆に言うと、それほど見るべきものが多かったといえます。



今回は浮世絵です。
まず歌麿の世界へ。



女性の躾のための親への教訓絵。 10枚の揃い物になっていて、他には”正直者”や”ぐうたら兵衛”などがある。
それにしても歌麿にしては、筆の握りかたが不自然な絵です。



見たときは、ドキッとしたのですが、白粉を塗っていない部分は変色したのでしょうか。
《白粉を塗る美人》 喜多川歌麿



歌麿にも劣らない、艶やかな絵です。

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江戸東京博物館 14 浮世絵

2009年12月24日 | アート 浮世絵・版画

江戸東京博物館に行ったのは、写楽の新発見の浮世絵などの企画展 http://blog.goo.ne.jp/te-reo/e/06ab5b146ce6b73f228d3ae938b8966e があったからですが、江戸東京博物館の常設展示のコーナにも浮世絵がありました。
これは歌麿の当世女風俗通 北国の契情
  とありますが、意味はよくわかりません。
しかし、歌麿らしい美人画。



次は鳥居 清長。 清長の描く美人が歌麿らに影響を与えた 。



 花魁を描いたもの。  八朔とは8月1日のことで、家康が江戸城に入城した日を記念して、花魁や幇間(たいこもち)が吉原俄(にわか)として即席の演芸を吉原の真ん中の通りで行ったので、大勢の見物客が押しかけたようです。





富岳三十六景の甲州石班沢。  説明文横に北斎の暮らしぶりを描いた模型を再掲します。http://blog.goo.ne.jp/te-reo/d/20090811





 最後は、広重の名所江戸百景から。



 

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