世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

ふじもん世界放浪「放学記」第7章アジア編 『サバサンド』が教えてくれるこの世界inイスタンブール。

2014-05-02 02:36:40 | 日記
2014年5月1日。

《僕にはどうしたらいいのか分かりません。僕たちは何をすべきなんでしょうか。何をすることが正しいのでしょうか・・・。》

トルコ一の大都市、イスタンブール。噂には聞いていたが、本当に大きな街だ。全てくまなく見て回ろうとしたら、4~5日はかかってしまうだろう。

イスタンブール観光の中心部、スルタンアフメッド地区から北に歩いて行くと、ヨーロッパとアジアを隔てるボスポラス海峡へと続く海に辿り着く。そこには大きな橋がかかっており、その付近はいつも大混雑だ。真っ直ぐ歩くのも難しいくらいの人手になる。

その橋の近くにはちょっと面白いものが売っている。それは「サバサンド」だ。その名の通り、鯖のサンドイッチである。「サバをパンと一緒に食べるとはなんて邪道な!」と日本人は思うかもしれないが(俺、ちょっと思っちゃうなぁ)、それはともかく青魚LOVEの僕としては、これはなかなかハマった。合計、結局3つ食べたのかな?(笑)


その「サバサンド」を道端で食べている時のことだ。

誰かが僕のズボンの裾を引っ張っている。


それは1人の子どもだった。

みすぼらしい服を来て、頭もモシャモシャ。明らかにお風呂にも入っていない様子だった。

その子は、僕に一言だけ言った。いや、何度も言い続けていた。

「プリーズ・・・」

この状況、僕にとってこれは永遠のテーマなのだ。

「僕は何をすべきなのか?何をすることが正義なのか?」


ハッキリ言います。この時、僕はメッチャ腹が減っていました。だからこの子を無視して、僕はサバサンドを全部たいらげました。


僕から食べ物もお金ももらえないのだと悟ると、その子はまた次の人へと物乞いを始めていた。

そう、僕にとって、これはいつものことなのだ。この1年間、何人の子ども達が僕の足元に寄って来たのだろう。

そう、特別なことではない。旅をしていれば、残念なことにそれは「日常」なのだ。

セリフは国や地域によって色々ある。「ハロー」だけだったり、「スイーツ」という子もいたり、「マネー」とダイレクトに言う子もいたり・・・。

しかしそんなことは問題ではない。表現が違うだけで、目的は一緒だ。


一番初めに食べたサバサンドは、地元のおばちゃん達とワイワイ騒ぎながら食べた。だから美味しかった。

でも次のサバサンドは、足元で子どもが「プリーズ・・・」と言っているのを無視して食べた。だから美味しくなかった。

最後に食べたサバサンドは不思議な味がした。僕が食べている目の前で、たぶん一口食べて美味しくなかったのであろう、本当に一口しか食べていないサバサンドを、ある欧米人の夫婦がそのままドサッとゴミ箱に捨てていったのだ。

僕はそれを見ながら自分のサバサンドを食べた。その欧米人が捨てていったサバサンドを子ども達が拾っていくのを見ながら、僕は自分のサバサンドを食べた。だから不思議な味がした。


なんやねんな、世の中って!!!


あの子たちには何の罪もない。たまたま、本当にたまたまトルコという国のお金も何もない環境に生まれてしまっただけで、何の罪もない。

イスタンブールは本当に発展した都市で、全体の印象としては「貧しさ」を感じない。全体としては、ハッキリ言って「豊かな」街だと思う。しかしその影で、このような子ども達がいるのもまた事実なのだ。

※道端で楽器を弾いてお金を乞う子どももいる。本当に心が締め付けられる光景だ。


僕の嫌いな言葉に「勝ち組・負け組」がある。なんやねんな、人生の「勝ち負け」って!そんな簡単に「勝ち負け」なんてあるのか?

じゃあ、あの子たちは「負け組」なのか?何の罪もないのに、たまたまそういう環境に生まれてしまっただけで、あの子たちは一生「負け組」なのか?

じゃあ、日本に生まれた子ども達は「勝ち組」なのか?

少なくとも今の日本に、「プリーズ・・・」と言って物乞いをしてくる子ども達はいない。それはそうだけど、日本にだってたくさん問題はあるし、将来どうなるのかなんて誰にも分からない。


なんやねんな、世の中って・・・。

なんやねんな、幸せって・・・。



たかが「サバサンド」、されど「サバサンド」。

僕がイスタンブールで食べた三度のサバサンドは、三度とも違う味がした。

一番美味しかったのは最初のだ。二度目は悲しい味がして、三度目は切ない味がした。

たかが「サバサンド」、されど「サバサンド」。

このサバサンドが、僕にちょっとだけ「世界」を教えてくれた。


一度目は、善も悪も裏も表もない、純粋に「美味しい」サバサンド。

二度目は、困っている人がいても自らの利益を優先する、人間の本性丸出しの「悲しい」サバサンド。

三度目は、まるでいわゆる先進国の裏に存在するいわゆる発展途上国の構造をそのまま図式化したような、「切ない」サバサンド。


同じものを食べたのに、こんなに味が違うのなんて初めてかもしれない。

たかが「サバサンド」に、こんなにも世界を教えてもらうなんて思ってもみなかった。

だから最後にもう一度、同じセリフを。


なんやねんな、世の中って・・・。

※このような子ども達の写真をブログにアップすることはいかがなものかと思いながらも、少しでも日本の方にこういう現実もあるのだということを知っていただきたいと思い、写真を載せました。ご了承下さい。

2014年5月1日。カッパドキアの起点となる街、ギョレメの中心部にある安宿にて。



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