「世界同時株安再び」 主要な原因は、米中貿易戦争の結果と思われるが、
トルコ発世界株安の連鎖と言う声もある。
こうした中で、現実的には、日本の消費税増税を廃止する手立てと考えたい。
財務省は、防衛予算を1兆円下げると言う目論見を表明した。
日本国民の敵は、かなり危うい正体を現した格好である。
世界同時株安再び 市場を揺らすジレンマ
証券部 富田美緒
2018/10/25 17:23
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36919190V21C18A0000000/
株安が世界に連鎖している。24日の米国市場でダウ工業株30種平均は600ドルを超える下げを記録すると25日の日経平均株価は800円超の下落となり、アジア市場にも株安が広がる。世界的な金融緩和の終了と米国の自国第一主義の政策が実体経済に与える影響が徐々に明らかになり、投資家心理が弱気へと傾いている。強い米国への信頼が揺らぎ、株式市場を大きく揺さぶっている。
25日の日経平均の終値は前日比822円(3.7%)安い2万1268円だった。2日に付けた高値からの下げ幅は3000円を超える。年初来の騰落率をみると日本は7%安、米国も0.5%安とマイナス圏に沈んだ。ドイツは13%安、中国は2割安で、市場をけん引してきた米国の株安が市場の雰囲気を悪化させた。
世界の株式時価総額は急減する。QUICKファクトセットによると1月には過去最高の85兆ドル(約9500兆円)にまで膨らんだが、24日時点では71兆ドル。約1500兆円が吹き飛んだ。
市場は3つのジレンマと直面する。米欧が金融政策の正常化に向かい、株高と低金利が共存する「適温相場」が終わりを迎えつつある。金利の上昇局面では相対的に投資先として株式の価値が低下する。
PER(株価収益率)は株価が1株当たり利益の何倍あるかを示すが、金利が上昇すると益回りが重視されるようになる。
益回りは株価に対する1株利益の比率を示す、債券の利回りに近い概念だ。益回りを上げるには企業の利益が伸びるか、株価が下がるしかない。
米国ではスリーエム(3M)などの大手が相次ぎ市場予想を下回る決算を発表した。「米国の減税効果の剥落や貿易摩擦の影響は着実に企業業績に跳ね返ってくる」(BNYメロン・アセット・マネジメントの王子田賢史氏)との見方が増えてきた。アナリストが来期業績の方向感をどう見ているかを示す「リビジョン・インデックス」は引き下げが相次いでいる。
もう一つのジレンマは米国第一主義だ。鉄鋼などの追加関税や米中摩擦に追い打ちをかけるように、トランプ大統領は中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を表明した。市場からは「軍拡競争を回避できなければ、冷戦終結以降、軍縮が民間投資の拡大を後押してきた構図が崩れかねない」(BNPパリバ香港の岡沢恭弥氏)との声もあがる。
もう一つのジレンマが金融緩和を前提とした運用手法の巻き戻しだ。リスクを分散するための運用手法として「リスクパリティ」と呼ばれる戦略が広がった。これは株や債券など保有する資産のリスクの大きさを変動率に応じてそろえるものだ。しかし、株安により株の変動率が上がると、リスクを下げるために株を手放さなければならない。このためほぼ機械的に株が売られるようになった。
投資家が大きな資金を投じていた運用戦略の持ち高調整が市場全体を揺さぶる構図を、サブプライム問題を表面化させた2007年の「クオンツ・ショック」に重ね合わせる市場参加者もいる。米ゴールドマン・サックスのジョン・マーシャル氏は「変動率の上昇が直接次の危機を招くわけではない」としつつも、投資家がリスク回避に動くと「企業の資金調達コストの上昇を通じ実体経済に跳ね返ってくる可能性がある」と指摘している。
世界同時株安で日経平均全面安、終値822円安
2018年10月25日 16時11分
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20181025-OYT1T50022.html
25日の東京株式市場は、全面安の展開となった。日経平均株価(225種)の終値は、前日比822円45銭安の2万1268円73銭だった。今月2日に約27年ぶりの高値をつけてから、わずか3週間で3000円以上値を下げた。
前日24日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)の下落幅が600ドルを超え、投資家心理が冷え込んだ。25日のアジア市場も大幅下落しており、世界同時株安の様相となっている。
外国為替市場の円相場が一時、1ドル=111円台まで円高・ドル安が進んだこともあり、電機や自動車など、採算の悪化が懸念される輸出関連株が売られた。米市場で下落幅が大きかった半導体株も売られた。
韓国などアジア各地の主要市場で、株安が進んだことも市場で嫌気され、売りが売りを呼んだ。
2018年10月23日 / 19:59 / 2日前
焦点:再び世界同時株安、日本も頼みの企業業績に懸念
https://jp.reuters.com/article/global-stock-23-idJPKCN1MX1GN
[東京 23日 ロイター] - 再び世界同時株安の波が、日本株を襲った。今回も直接的な「トリガー」は見当たらないものの、貿易戦争や欧州政治不安などの懸念材料が、売りに拍車をかけている。なかでも警戒感が強まっているのは企業業績だ。グローバル景気が減速する中、下方修正が目立ってきた。売りの主体が短期筋だったとしても、強気派の拠り所だった企業業績に不安があるうちは、株価の戻りも鈍いかもしれない。
<円高なき業績悪化に警戒>
弱めの企業業績が、目立ってきた。2018年度中間決算発表では、2月期決算の安川電機(6506.T)が通期予想を下方修正。3月期決算企業の先陣を切った日立化成(4217.T)の中間期は、原材料価格の高騰やスマートフォン向け製品の伸び悩みが響き、最終減益だった。
10月初めの世界同時株安のときと同様に、今回も円高はほとんど進んでいない。むしろ期初の105円台に対し、112円台といまだ円安水準にある。円高による企業業績の悪化であるなら、為替が戻れば業績回復も期待できる。しかし、円高なき業績悪化はビジネス環境の変化を懸念させる。
海外でも業績不安が強まっている。ドイツ自動車大手ダイムラー(DAIGn.DE)は19日、グループ全体と高級車ブランドのメルセデス・ベンツ部門の通期利払い・税引き前利益(EBIT)が前年の水準を「大幅に下回る」との見通しを示した。利益に関する警告は、過去4カ月で2回目だ。
米国企業は、総じてトランプ減税の効果を受けて企業業績は好調だ。しかし、米中貿易戦争による業績への影響が懸念される米キャタピラー(CAT)やボーイング(BA)や、アップル(AAPL.O)の決算発表はこれから。事業環境を巡る企業側の見解について、投資家も神経をとがらせている。
「やはり来期の業績を少しずつ気にし始めている」──。国内の銀行系ストラテジストは、ため息をつく。来期のEPS(1株利益)の伸びが鈍化すれば、PER(株価収益率)拡大による株高シナリオは描きにくい。企業業績が下方トレンドに入れば、日本株の数少ない買い材料であるバリュエーション(割安)の前提は揺らぐ。
<日銀ETF購入の終えん意識か>
23日の市場では、もう1つの日本株の買い材料である日銀のETF(上場投資信託)買いにも不安が広がったようだ。
そのきっかけは、日銀が22日に発表した「金融システムレポート」。景気循環末期あるいは金融緩和局面における景気過熱リスクなどタカ派的な言及が目立ったとの見方が、市場では多い。
大和証券・チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏は「金融システムレポートで、今後株価が上昇した場にETF購入策が終了する可能性が意識された」ことも、23日の株安の要因になったとの見方を示す。
ただ、木野内氏は「ETF購入策が終了するには、日経平均が2万5000円台に乗せるなど株高が前提となるだろう。直近のような上下動を繰り返すうちは、リスクプレミアムは改善しない」とも指摘している。
23日の東証1部売買代金は2兆5724億円。日経平均が600円安した日にしては低水準だ。「長期の投資家はほとんど動いてはおらず、短期筋の売りに左右された面が大きい」とソシエテ・ジェネラル証券の株式営業部長、杉原龍馬氏は話す。
日本株だけが急落したわけではなく、他のアジア株や欧州株も軒並み安となっている。先物の手口をみても、CTA(商品投資顧問業者)やHFT(高頻度取引)業者からの注文を請け負っているとみられている外資系証券会社の売りが目立った。
短期筋が買い戻せば、反動的な株高も期待できる。ただ、日経平均が27年ぶりの高値を付ける原動力となった企業業績期待や日銀ETFの買いに対する不安が残る状態では、株価の反発力が弱まる可能性もある。