【憲法解釈を個人の主義信条を入れて解釈すれば、解釈論を混乱させるだけなのだ。】

　法律の解釈は、前提として個人の思い入れを一切排除されて為されなければ成らず、有態に言えば、法文への読解力を如何に駆使するかだけに専念すべき。特に、イデオロギーの抜粋集約とも言える憲法解釈を個人のイデオロギーを入れて解釈すれば、解釈論を混乱させるだけなのだ。

憲法第９条　日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争（国民の代表者が外国と渡合える法的権力として与えられている権限駆使してする戦争）と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

　有態に言えば、我が国と戦争状態に未だ至ら無い国家間のいざこざを、政府の判断によって此方から戦争を仕掛けては行け無いということと、通常の外交力を使って解決することを日本国民は永久に護ると言うことだ。
　然し、領土侵害は、我が国への直接的主権侵害で、国家維持存続に関る重大事である。

　「集団的自衛権」など問題にする前に、直接主権侵害された場合の自衛権行使出来る要件の法制化を急がなければならないのだ。

　安部政権は本気で日本国民を護る気が全く無いと吾は診る。

憲法９条　２　前項の目的を達する為（未だ戦争状態に至ら無い国家間のいざ見座を解決する為の）、陸海空軍その他の戦力は、これを保持し無い。国の交戦権（国家が戦争を行う権利または戦争に於いて戦争の当事者として行使出来る権利）は、此れを認め無い。

　此の第２項は、二つの文章に分かれている。一つは前項を受けて、其れに関連する軍事力は一切持っては行け無いということで、此処では、自衛権行使の武力を持つこと迄は否定して居無い。問題は、後半の文章である。此れは真ともに限定無しに国の戦争当事者能力保持を否定して居る。問題は、此処での「戦争」の意味である。自衛権の行使も、此処での戦争の行使に入るのか？

　戦争とは、武力を用いて争うことであるが、特に，国家が自己の意志を貫徹するため他の国家との間で行う武力闘争（合法的手段によらず、暴力で敵〔大抵は政府〕を打倒することを指す）。
と、すれば「自衛権」は「戦争」に該当し無い。