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現在も「はて?」 朝ドラで見たような光景

2024年07月20日 05時25分55秒 | 一言
 今月、検察トップの検事総長に畝本(うねもと)直美氏が就任。女性として初めてと話題を呼んでいます。
 2023年版の弁護士白書によると、弁護士や検察官、裁判官の女性比率は2割から3割にとどまっています。差別の歴史は古く、最高裁が女性裁判官の任官をめぐって「歓迎しない」と言明したり、司法研修所の教官が女性修習生に「男が命を懸ける司法界に女の進出は許さない」などと発言したことも。
 現在はどうか。日本女性法律家協会前会長の佐貫葉子弁護士は、いまだに依頼人から男性弁護士を加えてほしいと言われることがあると話しています。まるでドラマで見たような光景です。
 背景にあるのは女性に対する根深い偏見です。女性差別の構造は明治期、国家によって押し付けられ、天皇制国家を底辺で支える「家制度」に組み込まれました。それが引き継がれ、女性には低賃金・家族的責任を迫る一方で、男性には長時間労働などを押し付けてきました。
 男性学を研究する大妻女子大の田中俊之准教授は、ゆがんだ仕組みをこう指摘します。「社会から構造的に競争や勝利を求められてきた男性は、社会とは会社であると認識し、狭い世界に閉じこもっている」。
 法の下の平等が保障されて77年、社会の隅々にどう実現するか。前出の佐貫弁護士は「女性法律家の道を切り開いてきた先輩方の憲法への思いを大切にしていきたい」と。メディアはもっぱら次の「女性初」に注目しますが、「はて?」。それだけで、問題が解決するでしょうか。


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