関連企業、自民側に6億円超
電機・鉄鋼…
国会で企業・団体献金の禁止を求める日本共産党など野党に対し、石破茂首相は、「(企業・団体献金で)政策がゆがめられた記憶を持っていない」などと背を向け続けています。ところが、原発利益共同体の企業が、危険な老朽原発の再稼働や新増設を推進する自民党側に1年間で6億円を超す献金をしていたことが本紙の調べでわかりました。(藤沢忠明)
11月末に公表された2023年の「政治資金収支報告書」によると、電力会社や原子力関連の企業、立地自治体などでつくる「日本原子力産業協会」(原産協会、会員数398)の会員企業が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に計6億177万2000円の献金をしていました。「革新軽水炉」の開発を手掛けている日立製作所3500万円、原発建設に使われる鉄鋼を供給する日本製鉄3200万円、JFEスチール1300万円などです。
原産協会が会員企業に行った調査(原子力発電に係る産業動向調査2024年報告書)によると、電力各社の23年度の原発関係支出は、22年度から「運転維持・保守・修繕費」「機器・設備投資」などが大きく増加し、前年度12%増の2兆510億円にのぼったとしています。
岸田政権による原発回帰路線が、原発関係支出を増加させ、その“原発マネー”が献金として、自民党に流れた格好になります。
同報告書によると、原発関連産業を維持するに当たって優先順位の高い課題をたずねたところ、回答した会員企業の83%が「政府による一貫した原子力政策の推進」、66%が「原発の早期の再稼働と安定的な運転」(複数回答)をあげています。
原発関連企業と自民党との関係は、日本共産党の山添拓政策委員長が6日の参院予算委員会で追及しましたが、原産協会会員企業は電力会社から2012年から21年に計18兆7006億円にのぼる支出を受け、2013年から22年に70億円を超す献金を自民党側にしています。
自民党の「脱炭素社会実現と国力維持・向上のための最新型原子力リプレース推進議員連盟」(会長・稲田朋美元防衛相)は12日、石破首相に原発の最大限活用と新増設などを求める提言を手渡しています。
巨額献金を受け取り、政策をゆがめている実態が二重三重に浮かび上がっています。
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