20日の東京株式市場は前週末比578円高で一挙に1万5千円台を“回復“した。ずいぶんと急速な上がりと思っていたら、やっぱり と言うかある意味予想の範囲内か自分でも掴んでいませんでしたがGPIFが18日の日経報道で“国内株の目標値を12%から20%台半ばへ引き上げる方向で調整に入ったと“される。
これはやはり今の安倍政権の窮地とこの間の株急落局面でまさに“救世主“ぶりを発揮したと言う事であろう。これにはやはり市場関係者からも“絶妙のタイミング“と言う声も聞こえるいわば“あからさまぶり“と言うことであろう。こんなことばかりやっていると究極的にはGPIFの“不良資産化“が進むだけであり、年金支給の将来に不安を増すばかりであろう。又GPIFは4半期ごとにその運用成績を発表することになっているが今年の1月~3月期は赤字であったはずである。
このような事を続けるなら再び4半期決算赤字と言うことになるであろうが“いったい誰がその赤字の責任を取るのか“まさか安倍首相“どうせおれの金ではない“などと言わないでしょうね。
以下21日付けブルームバーグ報道 引用(赤字筆者)
10月21日(ブルームバーグ):年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成見直しに関する一部報道を受けた株価急騰は、市場で膨らむ期待感を浮き彫りにした。市場関係者からは、内閣支持率の低下や閣僚辞任、消費増税の最終判断に直面する安倍晋三首相を支える絶妙のタイミングとの声も聞かれる。
GPIFが国内株の目標値を12%から20%台半ばへ引き上げる方向で調整に入ったと日本経済新聞が報じたのは週末の18日。TOPIX は週明けの20日、昨年6月以来の上昇率となる4%高を記録した。3週間で12%に及んだ下落に歯止めがかかり、東証1部の値上がり銘柄数は1802と過去最高に達した。ブルームバーグ・ニュースが5月に実施した調査では、国内株の目標値予想で最も高い回答は22%だった。
GPIFは国内債の削減と収益向上を求める圧力に直面している。政府の有識者会議は昨年11月、国内債偏重の見直しやリスク資産の拡大を提言。安倍首相はかねてより一貫して、早期の見直しを求めていた。同法人は7月から見直し作業を本格化している。
内外株価の大幅な下落や一部閣僚の不祥事、内閣支持率の低下、消費増税第2弾の最終判断を前にした国内景気の停滞などがちょうど重なった時期に、GPIFの日本株買い増しをめぐる報道が流れた。日経は情報源を示さず、国内株は上下6%ずつの乖離(かいり)許容幅を使えば最大30%程度の保有も可能になるとも伝えた。
クレディ・アグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストは、今回の報道からは「できるだけ株価を押し上げたいという政権の意図が透けて見える」と分析。第2次安倍内閣で初となる「2閣僚の辞任は政治への打撃になったが、株価の上昇で緩和する意図もあったのかもしれない」と語った。
東京株式市場では20日、東証1部の33業種全てが上昇。日経平均株価は全構成銘柄が高く引けた。米S&P500種株価指数 が前週末17日に1.3%上昇したのに対して、TOPIXは20日、その3倍超の値上がりとなった。他のアジア諸国は1%程度の上昇だった。
菅義偉官房長官は20日の記者会見で、GPIFの資産構成見直しをめぐる報道について、事実関係は承知していないと説明。見直しはGPIFが運用の専門家などによる検討を経て決めるとの認識を示した。
TOPIXは先週の下落率が5.3%と4月以来の大きさを記録し、約5カ月ぶりの安値で引けた。パリー・インターナショナル・トレーディングのマネジングディレクター、ギャビン・パリー氏(香港在勤)は、市場関係者はGPIFの資産構成見直しを株価上昇の起爆剤として注視していると指摘。「口先介入は日本政府のお家芸だ」とも述べた。
厚生年金と国民年金の運用資産127.3兆円を抱えるGPIFの現在の資産構成の目標値は、国内債が60%、国内株が12%、外債が11%、外株が12%、短期資産が5%。目標値からの乖離許容幅は国内債が上下8%ずつ、国内株は同6%ずつ、外債と外株は同5%ずつだ。
6月末の保有実勢は国内債が53.36%、日本株が17.26%、外債が11.06%、外株が15.98%。GPIFが目安としている短期資産を5%と仮定した場合の構成割合では、国内債は51.91%と乖離許容幅の下限を割り込み、国内株は16.79%、外債は10.76%、外株は15.54%だった。
大和証券の塩村賢史シニアストラテジストは、日経が報じた日本株の目標値20%台半ばは「予想の上限ぐらい。あり得ない数字ではないが一般的な予想よりも高い」と指摘。「安倍内閣の株価重視姿勢が確認できる」ため、市場の安心材料になると語った。「今月下旬にも」という発表時期も「前倒しになっており、非常にポジティブだ」と話した。
安倍首相は来年10月に予定通り10%へ再増税するか、年内に最終判断する方針だ。国内景気は駆け込み需要の反動減からの持ち直しが期待された7月以降も低迷し、後退局面入りの可能性が示唆されている。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は19日、安倍首相が同紙に、経済の状況次第では消費増税第2弾の実施時期を遅らせる可能性があるとの見解を示したと伝えた。
宮下一郎財務副大臣は20日の記者会見で、消費増税第2弾を決める総合的な判断の検討材料には株価水準も含まれると説明。短期的な動向に惑わされないことが必要だとの認識も示した。
クレディ・アグリコル証の尾形氏は、景気は停滞色を強めているが財政健全化には消費増税が不可欠だとし、予定通りの消費増税第2弾を予想。少なくとも3兆円規模の景気対策に加え「景気の先行指標である株価を上げて、企業・消費者のマインド改善と資産効果で増税による悪影響を中和する作戦ではないか」と読む。
公的年金制度は09年度以降、高齢化で膨張する年金給付を保険料や税金などで賄い切れず、GPIFなどが運用する積立金を取り崩している。長期金利の指標となる新発10年物国債利回り は先週、0.465%と昨年4月以来の低水準を付けるなど、国内債での運用からは高い収益を期待しにくい状況だ。
公的・準公的資金の運用・リスク管理を見直す政府の有識者会議で座長を務めた伊藤隆敏教授は14日のインタビューで、現時点で望ましい資産構成は国内債を35%に下げ、日本株と外株は25%ずつに増やし、外債は横ばいの11%程度だと語った。現在は外債に含まれるオルタナティブ(代替)投資を5%程度で独立させる可能性もあると話した。
伊藤氏は、国内株の保有実勢は9月末には許容幅の上限である18%を超えたかもしれないとも指摘。新たな目標値は「もっと上になるだろうから、もっと買っていくのではないか」と語った。国債売却や日本株買い増しを進める前に新たな目標値を発表するのは「ばかげた話」だと述べ、GPIFは保有資産の入れ替えをすぐ始めるべきだとした。
バンテージ・キャピタル・マーケットのエクイティ・デリバティブ・ヘッド、スチュアート・ビーヴィス氏(香港在勤)は、GPIFの新資産構成をめぐる報道が政府による「口先介入の一種だというのは、うがった見方だろう」と指摘。「偶然の一致とはいえ、絶妙のタイミングだったのは確かだ」と語った。
以上引用終わり
昨年の参議院選挙前の6月7日の株価急落の真っ最中にGPIFが突如“資産運用割合の見直し“を発表した。当然、当時も今もそれが全くの“PKO“であった事は全く明白である。その後になって後追い的に運用割合変更を発表したがその始末が前年度第4四半期(今年1月~3月)の赤字決算である。
はっきり言って経済政策無策の安倍政権には即刻退陣を願いたいとしか言う事は無い。