マクロ経済そして自然環境

経済的諸問題及び自然環境問題に感想、意見を書く事です。基本はどうしたら住みやすくなるかです。皆さんのご意見歓迎です。

本を書く時にはきちんと調べてから。某氏の”公務員賃金論” 

2012-02-28 12:20:29 | Weblog

 昨今手に入れた××新聞(N)出版の日本経済の解説書を読んだのですが、(著者K.K氏)其の中で明らかに誤りというか、おそらく全く調べずに書いたと思われる部分があったのでここで記載させてもらいます。それは何かというと其の本は分野別に種々の事を解説する方式になっているのですが、その財政編の中で公務員の賃金について述べた部分があったのですが、其の中で

 

 ”現行の国家公務員給与の算定基準は大企業をベースにしています。しかし日本の勤労者の大多数を占めるのは中小企業の従業員です。国家公務員が国民の公僕である以上、その給与は中小企業を含めた加重平均で算定するのが筋ではないでしょうか。”

 

 

 

 とあるのですがここで実際の賃金決定がどうなっているのか言えば法令により国には人事院、都道府県、政令市等には人事委員会というものがありそこで毎年共同で、企業規模50人以上且つ事業所規模50人以上のところよりデータを取り、その役職、責任、勤続年数、等々斟酌して当該公務員職場と比較しながら給与勧告をだす という仕組みになっています。

 

 

これと上記kkさんの文章を比べればわかるように勧告自体

①大企業のみからデータを取っている訳でなく中小企業もその算定の基礎に入っています。

②又”加重平均で”と言っていますが、(これは単純平均と比較して言われたのか解りませんが)単純平均ではなく”ラスパイレス方式”による比較と呼んでいます。

 http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/210100/kankoku/h21hikaku.pdf#search='ラ和歌山県によるラスパイレス方式の説明'

ラスパイレス方式とは、1864年にドイツの統計学者であるラスパイレスによって考案されたもので、物価指数を加重平均により算出する方式のことです。(マネー百科)

 

 

つまり、これらからするにKK氏はおそらくは公務員賃金制度等きちんと調べずにこの本を書いたと思われる事であります。一時が万事でやはり他の部分も疑ってかかりたく思うようになるでしょう。

 

 

 

尚、憲法上、公務員にも労働基本権は否定されいませんのでそれに対する規制を法で定めている中、上記賃金を当局が勝手に(人事院の勧告も無視して)決定するのは殆ど間違いなく憲法違反と思われます。

参考までに千葉県の人事委員会の勧告を載せておきます。

http://www.pref.chiba.lg.jp/jinji/kyuuyo/press/2011/documents/23all.pdf

 

 

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景気政策史ー44 19世紀イギリス対外商業政策と不況 その1前提としての重商主義対外政策

2012-02-25 11:54:51 | 景気政策史

 

そもそも論ではこの”重商主義”の概念自体一般に不明確と言われているが、アダム・スミスがその国富論で使用したのが最初と言われているが、定義としては、”経済学説史に付いても経済政策史についても使われている言葉であって、ふつうこれらの歴史の初期資本主義の段階にあたる部分がこの名で呼ばれている”( 小林昇 イギリス重商主義研究 未来社 1977年 以下文中敬称略)としているが、其の中で小林は特に”初期のブルジョア国家が其の権力を用いて組織的に行った原始蓄積(本源的蓄積)のための政策体系”としている。

重商主義については周知のことと思うのでその対外的政策について若干述べる。知られているように全体としては金銀を”一国の富”と考えそれに伴い政策としては、

①自国商品の輸出奨励(輸出奨励金、諸外国との条約)

②外国商品輸入制限(輸入禁止、関税)

③海外植民地の開拓、植民地での新興産業の抑圧

④航海条例による自国商品の海運権の独占

 等上記の政策が行われていたがこの中で特に関税に関して若干説明をしておく。関税は近世では主として財政収入が主目的であり(国内産業保護の性質は無く王室経常費であった(隅田哲司 イギリス財政史研究 ミネルヴア書房1971年)でぶどう酒等除けば輸出入品価格の従価5%(輸入品、輸出品とも同じと言う事)であった。

そこから1700年当時、財政としての他、重商主義的産業保護政策が”原材料を除く輸入品の関税水準”を大きく引上げ、歳入で22.4から35.1%にもなった。(朝倉弘教 世界関税史 日本税関協会 1983年)

 そこから18世紀初頭にはウオルポールによる改革が行われ1721年にはごく少数の例外を除きイギリス生産、製造の商品の”輸出税”を免除し又”外国産原材料の輸入税”の撤廃が行われた。

 これらの関税改革を上記隅田は”重商主義的[保護関税]の総合的体系化”と呼んでいるが、その他ウオルポールにより行われた改革は戻税制度、保税倉庫制度がある旨を指摘している。

 

 又①の輸出奨励金の内一番重要なものは穀物に対するものであり(穀物法)、1740年頃には輸出は飛躍的に拡大したが1760年頃より少しつづ穀物輸入国になり之により幾たびか穀物法の改変があったが1814年に輸出奨励金の部分は廃止となった。(前掲 小林)

これらを述べて前掲 隅田は”18世紀重商主義は海運諸法、穀物諸法、及び保護主義の三者を並存的支柱として構成されたもの”との表現をしている。

尚、植民地及び殖民政策と不況の関連は別項で取り上げる予定であり本稿の中では述べない。以下経年的に順次テーマに沿って序していく。

 

 

 

 

 

 以下次回

 

 

 

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経済政策の目標とは何か?

2012-02-21 12:04:02 | 経済

 先般日本の中で些かprevail(はやっている)”経済”思想について若干述べさせて頂きましたがそれでは投稿者の考える経済政策とは何かと言う点につきまして今回述べさせて頂きます。(取り合えず長期的一般論を述べますが)

 

 

①市場経済に付き物の景気変動を緩和ないし防止する事(これにはそれらに伴う倒産、失業の防止を含みます)

②としては物価の安定と言う事でしょうか。

③国民が安定して暮らせる為の社会保障の充実(教育、医療、年金等々)

④国民が暮らせる仕事の保障即ち産業の育成。(中小企業対策及び輸入を賄う適度の節度ある輸出産業の育成を含む)

⑤安定した長期の仕事が得られる為の労働政策。

 

⑥安定的で且つ適度の成長を伴う金融、証券市場の育成。(節度ある資本の流出入を含む)

 

 

 

 

 

目標としては以上ですがそれらを実行する為には裏づけとなる財政が必要であり、其のための税、歳入構造が必要になります。

 

尚、2月25日より景気政策史の続稿を投稿します(通史的にこれを行う事の無謀さは自覚しておりますが取り合えずと言う事で再開致します。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あなたも市会議員になれる!!?

2012-02-18 14:15:59 | Weblog

これは以前から考えていた事でありますが、要は表題の事であります。つまり”あなたも市会議員になれる”(うまくすれば国会議員にも)と言う事であります。そうはいってもと言う方も多いと思われますがしかしながら現状の日本ではそれほど難しい事では無いのであります。

では何を主張して議員になるのかと言えばそれは大きくは二つ

①”公務員の賃金は高すぎる、働かない”と言う事であります

②番目として”日本の法人税は高すぎる引き下げて経済を”活性化”させましょう。

 

 上記二つであります。何故これで議員になれるのかと言えば①は”公務員の賃金は高い”と言う事でありますが公務員の賃金は政治家が一方的に定める事は出来ず、(憲法上全ての労働者には団結権、団体交渉権、団体行動権が憲法上認められており、公務員であろうとそれは同じでありますが、現行法ではそれに制限を設けており其の代償処置として法律上国では人事院、地方では人事委員会が設けられ民間の賃金を50人規模以上の事業所等参酌しながら賃金を決定する仕組みになっている)従ってそれら勧告から離れた賃金を公務員に押し付ける事は出来ない事になっている訳であります。

 でそこにおいて主張として”公務員の賃金は高い”と言えば民間の多くの方々は上記其の仕組みをご存知ではありませんし又これから言うなら公務員の賃金は国民の賃金水準の真ん中を概ね狙ったものとなっています。そこから言うなら逆に必然的に概ね国民の半数は公務員の賃金水準に達せず、そういう意味ではそれらの方々の”歓心”を取れる可能性があると言う事であります。

 

 

 

 二番目の項目はあまり説明を要しないと思われます。要は法人税を減税すれば”なんとなく企業活動がしやすい”という”感じ”によったものでありますが(其の中で他国の法人税はもっと低いと言うような事を言えば更に良いでしょうか)これは投稿者は以前より説明していますが単純な法人税減税は財政欠損を大きくするばかりであり又それよりも輸出依存体質でこの円高の下ではは其の程度の減税は効果を持たないでしょう。又”他国の法人税がもっと低い”という事に関してはそれは税の引下げ競争でありお互いの財政欠損を増やすだけであります。

 

 

 

 

 しかしながらこれらの主張をして議員になろうとしたり”新党”を結成しようとする方々が少なくないのを見て些か唖然としていますが(当然マクロ経済的政策とはとても言えない代物でありますが)国民としてはその辺をよくよく考えて行動しなければ欺かれる事になるでありましょう。その際残念ながら商業マスコミはあまり当てにならないようであります。

”うそは大きいほど良い”って誰か言ってましたが。

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消費税売上別 転嫁可能率について。 消費税不況促進の2重効果

2012-02-14 12:56:47 | 税、財政

 以前にも書きましたが消費税は最終的には事業者が当局への支払い者になります。つまり売上に対し5%を上乗せして消費者に買ってもらうと言うのが其の前提に成っています。

しかしならが業者が常に5%を上乗せして販売できるかと言えば必ずしもそうでは有りません つまり内税になっているので相対で105の価格で売れなければ103とか102の価格で販売するしかないのであります。ところが徴税当局へは売上×5/105(仕入れ分を除く)を納付しなければなりません(その意味では消費税は業者にとっては一種の外形課税であります)

 

ここで問題になるのは中小業者等で売上に全額転嫁できないケースが多く発生するであろうということであります。

 

先般日本商工会議所、全国商工会連合会等4団体がその転嫁につき調査を行いましたが(中小企業における消費税実態調査)消費税が値上げされた場合それを転嫁できるかと言う事でありますが売上階層別に

 

 

1000万円~1500万円          転嫁できない71%

1500~2000                                      67%

2000~3000                                      64%

3000~5000                                      65%

5000~1億円                     56%

1億円~2億円                     50%

 

と言う事でありまして売上2億円でもかなりの率で転嫁不能額が出ると言うことであります。

 

これらから言える事は通常消費税率引上げは

①個人消費削減l効果があるという事は多く言われますが其の他にも

②転嫁不能額の増大による中小企業への圧迫をもたらす(転嫁不能であれば”身銭を切って”収めなければならない)

 

 

と言う事で特に中小企業中心に不況を促進する2つの効果があると言う事でありまして単に財政の数字合わせしか考えない財務省等々にそのマクロ的効果をどこかで学習してほしいと言うのは投稿者だけの考えではないと思いますが・・。

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TPP参加で農薬、遺伝子組換え等大幅緩和か??

2012-02-08 11:40:58 | Weblog

 消費税問題と並びTPPへの参加が重要問題になっています。知られているように交渉は貿易の関税等々の他多くの分野 金融、保険、医療の規制緩和等々も問題になっていますが”モノ”の流通が対象となる中で残留農薬、遺伝子組み換え食品、食品添加物等々が俎上に載る見込みとされます。某野党機関紙××日曜版2月15日号によれば食品の安全関係でも

 

①残留農薬

②遺伝子組み換え食品

③食品添加物等々が課題とされる恐れがあるとのことであります。

 

 

 

 ①残留農薬について言えば例えばイチゴで殺虫剤マラチオンの残留基準は国産の場合0.5ppmなのに対しアメリカでは8ppmと実に16倍になっており之に関し[不当に低い閾値(しきいち)で農薬の最大残留基準値を設定する・・・。これは米国の園芸作物の輸出にとって重大な貿易障壁になっている]とし其の緩和を求めています。オレンジやグレープフルーツの防カビ剤(輸出用果実用に使用している収穫後散布のもの)でこれについても表示をやめさせるように要求しているとされます。

 

②遺伝子組み換え食品についても現在日本はアメリカから多くのとうもろこし、大豆を輸入していますがアメリカ国内では表示の義務はなく、日本では現在、豆腐や納豆等加工食品には表示義務があり(油やしょうゆには義務が無い)、これの撤廃に付き、[遺伝子組み換えのとうもろこし、大豆についても米国の輸出は、数多くの貿易障壁に直面している][義務的表示要件は、これらの食品が安全でないと不当に含意することにより貿易障壁として作用している]と要求しており外務省もTPPで[表示問題が提起される可能性は排除できない]としています。又組換え食品の中には成長2倍という鮭も認可目前だそうです。

 

③日本では1972年に国会決議で食品添加物の[使用は極力制限する]としていましたが2002年から[国際的に流通している]との理由でメーカーから申請がなくとも政府は新しい食品添加物の認可を続々と進めてきておりアメリカはそれでも其の速度が遅いと[日本の食品添加物の規制はいくつもの米国食品、特に加工食品の輸入を制限している・・審査のプロセスを迅速にするよう、日本に強く申請している]としていますが之につき専門家によれば”06年には清涼飲料水の添加物同士が反応し発ガン物質が生じて世界中で問題になったとされ、むやみに使用拡大すべきでは無い”としています。

 

 

 

 投稿者は以前は納豆とか豆腐は好きでしたが現在はあまり進んで食べる気にはなりません。率直に言って豆腐とかの表示そのものがどうなのかと思うからであり又国産大豆が少ない中でそんなに全部が”遺伝子組み換えでない”ものであるかどうか信頼できないからであります。某K首相とかは毎朝”遺伝子組み換えの味噌”を使った味噌汁を好んで飲んでるのは間違いないとは思うのでありますが。

 

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