21日国会は9月までの延長を決めた。自民党筋等は来週にも増税法案を採決したい方向であるようである。民主・公明も其の方向であるようだがここに来て些かというよりかなり奇異なのが維新の会が未だに会としての決定方針が無い事である。維新の会の橋下氏は今年1月上旬に税率引き上げに関し”其の方向しかない”旨の発言をし、又2月上旬にはその骨格方針で引上げを明確に述べていました。しかしその後になって消費税を地方税にし他方、地方交付税を廃止する。と言う方向を出しました。
ここで考えなければならないのは地方交付税と(地方)消費税を同列には考えられないと言う事であります。
地方交付税は我が国内のどの様な地域であっても同様の行政サービスを受けられるよう基準財政需要額を決め他方其の地域での税収を勘案し其の差額を国が保証する物であります(東京都と沖縄県ではその税収力に2.6倍の差が有ります 地方交付税のあらまし23年度版 地方財務協会)
他方消費税は現在その1%分が地方消費税として各都道府県、市町村に分配されていますがその分配基準は、商業統計、人口、従業員数等であり当然都市部に有利になっています。従って地方交付税を廃止し消費税をそれに充てるなら都市部ほど有利になり、それについて下記引用ブログでは橋下氏は”別の配分基準を作る”としていますがそれならば何の為の交付税廃止か不明でありましょう。
又金額で言うなら地方交税は橋下氏がどの範囲の物を言っているか不明ではありますが、地方交付税交付金であるなら平成18年から22年までで総額796177億円、年あたり159235億円(決算ベース)でありますが、消費税は(国分)年あたり101089億円であり年あたり約6兆円の差があり4割弱の削減にあたり、多くの自治体が財政難に陥る事となるでありましょう。橋下氏は”足らなければ増税すれば良い”と言っていますが結果的には山間地域程消費税率が高いと言う事になりますでしょう。(橋下氏は4兆円と言っていますがカウント誤りと思われます)
これらを総合的に勘案するに維新の会は基本的に現在の消費税案に態度表明をしたくないとしてここで値上げは”地方判断”としています。これなら判断を示さなくともよいと言う事でしょうか?それは賛成すれば忽ち”風”が止んで国政進出が不可能になると言う事にあるのではないしょうか。(と言うより6月に方針を纏めると言っていた物が未だ何故か出ません 地方税化が決定方針か不明です)
また同会でこの消費税問題で言うなら基本的にこの税率引上げがマクロ的にこの日本経済にどの様な影響を与えるか全く意思表明されておらず、理論面から見ても全く態度不明としか言いようが無いということでしょうか。
▼▼▼以下同趣旨の別ブログ引用 各都道府県別の、地方交付税→消費税の金額が計算してあります。
ttp://blog.livedoor.jp/ekesete1/archives/5443930.html
橋下市長が4月6日ツイートでこう言っている。
大阪維新の会は「消費税の地方税化、地方交付税廃止、消費税を上げるかどうかは地方判断。」この方向性を選挙で訴えるべきとの考えだ。
では橋下さんの言うとおり地方交付税から消費税にしたら、都道府県の収入はどう増減するか。
いま消費税5%のうち1%分は「地方消費税」という名目で都道府県の収入になっているので、もし5%全てが地方移管されるなら、いまの5倍の金額が都道府県に入ることになる。また地方消費税は半分を都道府県が取り、残り半分を管内市町村に分けている。よって5倍した額を2で割れば都道府県の取り分(残りが市町村の取り分)となる。数字は2009年度のもの。
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北海道 地方交付税6902億円→消費税2718億円 ※消費税=地方消費税1087億円×5÷2
青森 2096億→ 646億 (地方消費税258億 以下同じ)
岩手 2139億→ 613億 (245億)
宮城 1725億→1114億 (446億)
秋田 1827億→ 511億 (204億)
山形 1719億→ 529億 (212億)
福島 2114億→ 928億 (371億)
茨城 1667億→1317億 (527億)
栃木 1279億→ 977億 (391億)
群馬 1308億→ 952億 (381億)
埼玉 1852億→2917億 (1167億)
千葉 1579億→2502億 (1001億)
東京 ゼロ→8026億 (3210億)
神奈川 517億→3748億 (1499億)
新潟 2891億→1127億 (451億)
富山 1157億→ 494億 (198億)
石川 1171億→ 569億 (228億)
福井 1090億→ 394億 (158億)
山梨 1115億→ 419億 (168億)
長野 2153億→1089億 (436億)
岐阜 1664億→ 963億 (385億)
静岡 1484億→1888億 (755億)
愛知 412億→3704億 (1481億)
三重 1292億→ 810億 (324億)
滋賀 917億→ 574億 (230億)
京都 1544億→1318億 (527億)
大阪 2912億→4362億 (1745億)
兵庫 3077億→2411億 (964億)
奈良 1315億→ 535億 (214億)
和歌山 1417億→ 411億 (164億)
鳥取 1131億→ 280億 (112億)
島根 1620億→ 334億 (134億)
岡山 1577億→ 817億 (327億)
広島 1848億→1353億 (541億)
山口 1620億→ 580億 (232億)
徳島 1342億→ 348億 (139億)
香川 954億→ 472億 (189億)
愛媛 1627億→ 615億 (246億)
高知 1562億→ 352億 (141億)
福岡 2766億→2398億 (959億)
佐賀 1242億→ 382億 (153億)
長崎 2123億→ 642億 (257億)
熊本 2132億→ 851億 (340億)
大分 1602億→ 545億 (218億)
宮崎 1724億→ 524億 (210億)
鹿児島 2739億→ 744億 (298億)
沖縄 1899億→ 523億 (209億)
地方交付税はp136 地方消費税はp142
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これで分かるとおり、田舎ほど収入が減り、都市部ほど収入が増える。橋下さんの大阪や、その他東京愛知などは1000億単位で収入が激増する。
これが橋下氏が言う地方分権地方自立なのだろうか。大阪や東京は労せず収入が増えて万々歳だろうが、北海道青森や鳥取のような本当の意味での「地方」は、手厚い地方交付税を取り上げられて収入が激減する。これでやっていけるのだろうか。
そういう懸念について、橋下さんはこう言う。
新たな財政調整制度を作ります。(4月8日ツイート)
地方の税収間格差は地方交付税制度に代わる新しい調整制度を作れば良い。(4月9日ツイート)
しかし仮に税収を調整するとして、それなら今の地方交付税制度と何が違うのだろうか。調整の結果今の地方交付税と同じ金額になるなら制度をいじる意味が無い。 今と金額が変わるのなら、やっぱり大阪(など大都市部)有利ということだろう。
橋下さんが地方分権地方分権と連呼しているのを聞くと、地方にとってそれは利益であるかのように聞こえる。しかし橋下さんはなぜかこうも言う。
消費税の地方税化、地方交付税の廃止は、国会議員、霞が関、そして全国の地方自治体と大戦争しないと実現できない話し(4月6日ツイート)
消費税の地方税化、地方交付税廃止なんて、地方自治体が賛成するわけないじゃないか!。(4月6日ツイート)
橋下流地方分権論がその言葉の響きどおり地方の利益になるなら、なぜ全国の地方自治体と大戦争する必要があるのだろうか。なぜ地方自治体が賛成するわけないのだろうか。どうやら橋下さん自身が「地方交付税廃止、消費税の地方税化」という橋下流地方分権論は、実は地方に損だと分かっているようだ。