前回投稿で、国税徴収法による生活困窮の方に対する”執行停止”制度について若干述べ、又その中で国税徴収法と国税通則法等勘案するなら税法体系は”応能原則”(能力に応じて支払う)に立っていると看做し得ると書きましたが、上記”執行停止”制度は粗生活保護水準になると当局の判断により請求が止まると言ったわけでありますが、これは逆に言うなら”粗生活保護水準にならないと一度未納になった税の請求は止まらない”と言う事を意味します。
これを実際の未納者の生活と納税の場面を考えるなら有る意味かなり過酷な事態にもなり得ると言う事は税の行政に携わらなくとも想像出来ると思われます。つまり相当深刻な生活を送りながら税も納付すると言う事であります。
ここで前々回の消費税と社会保障の関連について延べた所を思い出して頂きたいのですが、
Aさんは年収給与204万円で2.88%の消費税(58995円)
Cさんは国民年金だけで収入788900円で消費税(36968円)特にCさんは所得税も住民税も掛からないのに4.68%の消費税だけは支払っているわけであります。
現在、民主党代表選等行われていますが、経営者団体(経団連)や一部”エコノミスト”により軽々と”消費税引上げ”が言われる訳でありますが、その事はこれら限界的に税を支払っている方々に上記納税とあわせ、一層の重税感を被せるものである事は火を見るより明らかと思われます。(上記消費税が10%等に引上げられるならある意味耐え難い水準になると思われます)
”負の消費税”(低額所得階層の方々に給付を行うとする物)が検討されているようですが給付の判断等実務的には簡単ではないと思われ、私見においてはそのような回りくどいやり方よりも現行所得税に一定率を増徴する案のほうが解りやすいと思われますが
これは当然低所得層(投稿者自体も年金生活になればその層に含まれる事となりますが)にたいする社会政策、又国内個人消費の下支えにもなるマクロ的にも整合的な政策と思われますが。
こで一般高額所得層の方々にお願いしなければならないのは、既に現段階でも限界的所得層の方々は上記の通り、相当にシビアな納税を余儀なくされているわけでありまして財源難のおり、”税率確保”に一層のご協力を願いたいとともに、それは現段階でも配当所得等の軽減税率を受けている場合、所得税は7%、住民税3%(因みに上記Aさんの住民税は10%、所得税は5%です。)しか掛かっておらずその辺のバランスを考慮戴きたく思います。
財務省証券課税等の軽減処置
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/financial_securities/haitou01.htm
(この点マクロ的に言うなら以前の投稿で20年間株価が上昇していないのは先進諸国の中で粗日本だけであると指摘させて頂きましたが、それは簡単的に言うなら実物経済の回転がうまくいかない中での金融資産だけの上昇は有り得ないとだけ指摘させて頂きたく思います。)
▼▼▼配当等の軽減処置
配当等の軽減処置とは保有株式が発行済み株式総数又は金額のの5%未満(10/1以降3%)の者をさすとされるが日経会社情報等見ても5%未満と言うとかなりの物があります。
例 ××電力ですと発行済み株式総数:1,607,017,531 でありましてその3%と言いますと 48,210,525株でありまして仮に1株あたりの配当を30円とするなら 1,446,315,750円となりますが、この分に対する所得税が7%、住民税が3%となります。
??!!!
このように配当等に対する税の実態を見ても上記Aさん、Bさん、Cさんの納付と比べ重税感は比べようも無いとしか言いようがありません。(配当所得増徴分を社会保障等に繰り入れるなら実態面の経済の改善に繋がります)