よみがえるケインズ

ケインズの一般理論を基に日本の現代資本主義を読み解いています。
カテゴリーが多岐に渡りすぎて整理を検討中。

雇用が緊急事態、東京アラートではなく雇用がアラート

2020年07月03日 | 日本経済を読む
コロナが雇用に与えた影響
本年3月から5月で雇用者は132万人減っている。3月の完全失業者は172万人だったから重い数字である。



しかし5月完全失業者は3月から25万人増の197万人にとどまっている。差し引き100万人以上が求職を当面あきらめたことになる。探してもコロナの間はないだろうということだ。だから直ちに失業率が急上昇することはない。(3月2.5%、5月2.9%)

コロナによる経済活動規制が長引けばさらに雇用者は減り、失業者が増えることは予想できる。ではコロナが終われば回復するのだろうか。

コロナ終息で雇用は回復するのか?
下図は、有効求人倍率、有効求人数、有効求職者数である。一般職業紹介状況という統計でハローワーク窓口の統計であり、労働力調査とは母体が異なる。



これによれば、2019年から有効求人数は下がり続ける一方、求職者数はあまり変化していない。その結果有効求人倍率は下がり続けている。コロナがなくても求人は減り続けているのだ。

現在1.2倍だが、間もなく1.0を割り込むだろう。

有効求人倍率1.0割れの危機
1.0を下回ると明確な景気後退のサインとなる。これまでケインズを読んできたように、企業者は雇用量を期待売上収入で決める。先行きの売上が期待できなければ雇用を絞るだろう。明確な景気後退のサインは更なる雇用の減少を生む。

いまや雇用危機の瀬戸際である。

求められるのは理性
インフルエンザほどでもない感染症でパニックに陥り、当局はポピュリズムに流され場当たり的な強硬策をとってきた。

第二波で第一波のようなことをすると、雇用の崩壊を招く。コロナがなくとも雇用情勢は悪化を続けているのだ。

コロナの正体を広く知らしめ、パニックからの回復を図ることが重要である。そのためには第一波で採用した方策が間違いだったことを認めなくてはならないだろう。そこから始めないと、またポピュリズムに流され雇用を崩壊させることになる。
そうなったら回復まで長く苦しい道が待っていることを覚悟した方がいい。

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