よみがえるケインズ

ケインズの一般理論を基に日本の現代資本主義を読み解いています。
カテゴリーが多岐に渡りすぎて整理を検討中。

「財政再建」は何をもたらすか? 現代日本に棲む悪魔

2020年07月07日 | 日本経済を読む
ケインズを生かす 日本銀行:資金循環統計 4
 前回予告にもかかわらず、もう一回続ける。

過剰貯蓄とはどのような状態を言うのか?

 貯蓄>投資という状態である。この状態での貯蓄は経済体系から資金が逃げていくことにしかならない。債務の弁済もその意味で貯蓄である。

 ケインズの悪魔の恒等式によれば、貯蓄・投資のバランスは所得の増減によって調整される。貯蓄>投資という状態が続けば 所得が減っていくということである。なぜか?所得は投資+消費に等しく、今日の貯蓄の分だけ明日の所得は減るからであった。

 政府の債務は民間の過剰貯蓄の対応物である。政府債務を減らせば民間は所得を減らし、その結果貯蓄も減っていくことになるのである。

 バブル崩壊後、企業の不良債権処理、それが終わったら財政再建と過剰貯蓄を積み上げる経済政策を一貫して行ってきた。その結果一面から見れば国民の総所得であるGDPはどうなったのだろう。

イタリアの混迷、日本の停滞



 リーマン危機というイレギュラーを除けば、GDPのトレンドに何の変化もない。G7という「先進工業国」と比べても「低迷」の一語に尽きる。

 「アベノミクス」も何もないのである。

最新の画像もっと見る