我が家の裏庭の隅に置いたシイタケの榾木に、四月中旬、小指の先ほどの幼菌が顔を出し次第に数が増えてきたので、五月二日、天然シイタケの様子を見に出かけたところ、同じような幼菌が点々と出始めていた。五月六日に雨が降り、そろそろ良い頃かなと八日に山に入ったが、五月の大型連休期間中は天候不順で低温が続いたため、シイタケはあまり生長していなかった。
それでも七日に入った人が採取したと思われる採り跡が要所要所に残っているから、ほどほどの収穫があったのだろう。最近は、キノコ採り人口が急激に増え、しかも胞子が拡散する前に親指の先ほどの大きさのものまですべて我先に採取するため、後々のキノコ発生に影響が出ないわけがない。八日撮影の写真の幼菌は、十日にはほとんど消滅しているだろう。採取者は自ら己の首を絞めていることを知るべきである。
私たち夫婦は、傘が開いて胞子が広がり始めるものしか採取しないので、この日は、枯れ葉に隠れていた成菌を三個だけ手にして帰宅した。採取者の貪欲さは、ギョウジャニンニク・ウド・ワラビ・フキなどの場合も変わらない。浅ましい世になったものだ。
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