TKNの山林には春から秋まで各種のキノコが発生し、六月中旬以降二か月間はタモギタケが採り放題になる。癖の強い味と香りが女房の好みからはずれ、保存も利かないので、大量に採取することはない。
通常は地面の倒木に出るが、ヤチダモの枯立木の上部にずらりと並んでいるのは壮観である。ま、わざわざ木登りをして採ることもないので、「わっ、すごいな、写真撮ろ」で終わる。ときには秋に大発生を見ることもあるが、初夏のタモギタケと晩秋のムキタケは少年の頃から私の馴染みであり、未だに他のキノコより特別な親しみを感じる。
この山林の奥に黄花と赤花のオニグルミが並んでいることは、すでに何度もブログ記事にした。辻井達一・梅沢 俊・佐藤孝夫『新版北海道の樹』(北海道大学図書刊行会)にも佐藤孝夫『新版北海道樹木図鑑』増補版(亜璃西社)にも、オニグルミの雌花は赤色で穂状、テウチグルミの雌花は淡黄緑色で花序が短い、と記されている。しかし、ここの黄花は穂状で果実も房状で赤花と変わらないし、先が尖っていてオニグルミと同じである。□□図鑑と称する書物は、このような点で痒いところに手が届く配慮に欠ける。写真下段<右>は、ギンリョウソウ。葉緑素を持たない菌類寄生植物である。薄暗い林床で初めてこの植物を見たときは気味の悪い感じを受けた。
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