五月一日、晴天なので、取って置きの場所に女房とギョウジャニンニク採りに出かけた。1週前に別の場所に出かけ、通りすがりに様子を確かめたときは、日当たりの悪い斜面や沢筋にまだ雪が残っていた。しかし、さすがにもう雪はなく、かなり太いギョウジャニンニクが予定どおり採れた。無茶をしないで適度に採ったので、来年も十分期待できるだろう。ただし、このあと、だれかが荒らさなければの話だが・・・
実は、今日はもう一つ目的があり、こちらも予想以上の成果が得られた。以前から、エゾエンゴサクの花色にかなり個体差があることに気づいていたが、今回、四色の写真を並べ、違いを明確に示すことができた。
生物学に詳しい知人のK氏は、生育場所が異なると遺伝子に違いが生じるので、花色の違いはそのせいだ、という。しかし、庭植えのアジサイの場合を考えると、私はその説明を訝しく思うのである。真っ青のアジサイを3株に分け、異なった場所に植えたところ、桃色と青桃混じりが生じたからである。株分けなので遺伝子とは関係がない。アジサイの萼の色の変化は、土壌の酸性度の違いによることが知られている。上掲4本のエゾエンゴサクはそれぞれ生育場所が異なるので、K氏の見解に異を唱えるのは恐れ多いが、土壌の微妙な酸性度の違いにより、花色の違いが生じたと考えるのが妥当ではないだろうか。
同様の色の違いは、ギョウジャニンニクにも見られる。こちらは花色ではなく、茎と葉である。通常は、鱗茎の基部から立ち上がり一寸五分くらいまで、茎は赤褐色の皮に覆われているが、時には、緑色の個体(「フォト・釧路の山菜」参照)を見かける。清水大典・会田民雄『カラー版 山 菜 見分け方 食べ方』( 家の光協会 ) に、「変種にデワノギョウジャニンニクと、ミドリギョウジャニンニクがある」と記されているので、緑色の個体は、K氏のいう<遺伝子の違い>によるのかもしれない。さらに、最近、葉も茎も全体が赤褐色の個体を発見した。そばに、普通の個体がならんで生育しているので、これも変種なのか?
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