タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 国道沿いの若木(4) ≫

P1010197P1010213 国道沿いには、意外に、カエデ・モミジの類が少なかった。昨年、秋遅くにドライブしたとき、モミジの紅葉が美しかったが、思い出すと、あれは遠くの山腹だった。
 左はイタヤカエデ(エゾイタヤ)、右はヤマモミジである。イタヤの名がつくカエデには、イタヤカエデ・クロビイタヤ・アカイタヤの三種があり、辻井達一・梅沢俊・佐藤孝夫『新版北海道の樹』(北海道大学図書刊行会)の〈類似種との区別〉、イタヤカエデ「葉が手のひら状でふちにぎざぎざがないのが特徴。変種アカイタヤの若葉は紅紫色、葉の切れ込みは5で浅い」、クロビイタヤ「葉の裂片には、1~2対の大きな波状のぎざぎざがあり先はまるい」を参考にして、左の写真の樹をイタヤカエデ(エゾイタヤ)と判断した。
 木質が緻密で粘りと堅さがあるので、昔のスキー板は、イタヤカエデの単板で作られた。父が木材伐採のための矢を作っているのを見て、少年の頃からこの樹はよく知っていた。私のスキー板も、父がこの樹で手作りしてくれたので、思い出深い。今でも、時には、木工工作でイタヤカエデの製材を使いたいことがあるが、入手は不可能である。
 モミジ(カエデ)は種類が多いので、前掲書の〈類似種との区別〉をいくつか参考にして、右の写真の樹をヤマモミジと判断した。紅葉の名所は数多くあるが、私が特別に強い印象を抱いているのは、ポントナシベツ渓谷である。一尺近いエゾイワナとニジマスを数匹釣り上げたゴルジュの淵に、見事に紅葉したヤマモミジの大木が覆い被さっていた。30代半ばの頃だったと思う。

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