特別支援をカガクしたがるカワムラのブログ

応用行動分析学(ABA)、障害福祉、特別支援教育など、個人の考えとして書きます。ブログは極めて気楽な執筆態度です。

仮名指導プログラムへの質問:通常学級での使用

2025年02月02日 | 研究

仮名指導について質問が来ているのでお答えします。

仮名指導プログラムはこちら

ひらがな指導プログラム

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カタカナ指導プログラム

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質問:通常学級で「河村式」のプログラム、使える?使えるんならどう使うと良い?

回答:使えます。というかむしろ是非使って下さい。開発段階の協力者の中には通常学級の担任も含まれます。文字の記憶に関する各種研究には知的障害を伴わない子も多数参加してくれています。

 ただし、一点異なるとすれば、人数が多いための個別指導が全員に実施できないという点でしょう。本書の記録用紙も同様に、せいぜい同時に10人程度までが前提で、それ以上の人数になると記録用紙の記入そのものにかなりの時間を要してしまいます。

 そこで「多層支援」の考え方が大切になります。この考え方はざっくり言うと「全体に対して良い指導をして、覚えられなかった子の数を徹底的に減らす」「その上で、覚えられなかった子に個別指導を実施する」という感じになります。30人学級の場合、「全体へのカードやプリントで覚えられなかった子」というのを大体5人以下に減らすことを目指しましょう。その上で「朝の支度をしている時や授業前の5分休みに呼び出して今日習う仮名を先に教える」「給食の後にちょっとカード学習をやってみる」という程度のうっすらした支援でさらに2~3人程度をカバーし、最後の1~2人は授業中に他の子がプリントを書いている間に張り付いて個別指導する、というように、段階的に支援を行っていきます。

 また、知的な障害を伴わないADHD児の中には非常に速いペースが「飽き」が生じる児童がいます。本書のプログラムでは同じレイアウト、同じ絵、同じ言葉に対して仮名を書く練習をするため、「覚えやすいが飽きやすい」という弱点があります。飽きにくさを確保するという意味で、別の挿絵の入ったプリントを併用するのも良いでしょう。

 

 

☆マニアックなことを勉強する余力がない方もご心配無用。拙著では誰でもできるようにセッティングされていますので、第1章を読んでください!

仮名指導プログラムはこちら

 

 

バックナンバー

その1

その2

その3

その4

その5

その6

その7

その8

その9

質問:家庭での使用

質問:鉛筆が持てない

その10

その11

 

では、次回はこれに続く指導法を解説します。

 


仮名指導プログラムへの質問:鉛筆が持てない!

2025年02月02日 | 日記

仮名指導について質問が来ているのでお答えします。

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質問:鉛筆が持てないけど、どう指導する?

回答:まず、「OK」の指が作れるか確認してください。できない場合は以下のような練習をしましょう。

・洗濯バサミをつまむ動作で練習する。洗濯バサミを手足にし、牛乳パックなどの厚紙にくっつけて人形を作る。

・粘土をつまむ動作で練習する。油粘土が硬すぎるのであれば小麦粉からでOK。ハリネズミの針をチネって作ると、大量につまむ動作の練習ができる。

 

「OK」の指が作れるようになったら、次のステップです。鉛筆をOKでつまんで、ぱたんと手の甲側に倒せばこれだけでOKです。中指~小指は手を添えて閉じさせましょう。

 

 

※ちょっと踏み込んだ回答:この手の感覚運動学習では1日当たりの時間を数日に散らして分散効果を狙いたいところですが、経験上1日の中である程度の時間練習しないと身に付かない子が出てきます。そこで手数の力です。釣りゲーム、焼き鳥屋さんごっこ、人形遊びで雨が降った設定にして傘を差してあげる、太めのコマ、鉄道模型でNゲージサイズの人形と気を並べる、何でもいいのでpincer graspを30分以上稼いでみます。その中で選好査定を実施して高選好課題を見つけたら、家庭でも週7日やってもらいましょう。その上で塗り絵と迷路とお絵描き、簡単な折り紙を追加しましょう。塗り絵のクーピーは指の部分を削ってへこませておきましょう!

 

バックナンバー

その1

その2

その3

その4

その5

その6

その7

その8

その9

質問:家庭での使用

 

では、次回はこれに続く指導法を解説します。

 


1分でカナ指導講座⑪平仮名のカタカナの書き分け

2025年02月02日 | 日記

平仮名、カタカナの習得が完了したら、今度はその書き分けに進みます。本書ではシンプルに以下の2つの方法で書き分けの指導をすることを提案しています。

 

・カードの分類

・単語の筆記

 

ここで重要なのが、「例の数」です。確実に書き分けを身に付けた単語を量的に増やす必要があります。

単語筆記については、カタカナ編のダウンロード教材として、おまけにくっつけておきました!ぜひ使ってください!

 

【注:以下、マニアック】

 学んだことの般化について、これまでにいくつかの方略が知られています。代表的な方略として「Training Sufficient stimulus / responses Exemplar」というものがあります。要するに、書き分けを覚えるには単語例がたくさん必要なのです。

 

☆マニアックなことを勉強する余力がない方もご心配無用。拙著では誰でもできるようにセッティングされていますので、第1章を読んでください!

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その2

その3

その4

その5

その6

その7

その8

その9

質問:家庭での使用

質問:鉛筆が持てない

その10

 

では、次回はこれに続く指導法を解説します。