コロナ禍前、紅葉の写真を撮りにテントを担いで出かけたのは北アルプスの涸沢。寒暖の差が激しく下界のひと月以上早く紅葉の写真が撮れる場所だ。ここの紅葉が美しいのはハイマツの緑とナナカマドの赤の鮮やかな対比だ。綺麗な紅葉の写真を撮影できるのはほんの1週間ぐらいか。早く寒気が入れば一気に紅葉は終わり冬へと突入してしまう。10月初旬の1週間が勝負。この期間にテント泊をして写真を撮る。2400mの高所なので夜間は零下まで気温が下がりテントに霜が降りる。天気が良い日は昼間は凌ぎやすいが日が落ちると一気に気温が下がる。夜間のテントでは厚いダウンの寝袋にくるまり寝酒を飲んで過ごす。問題はこの期間の涸沢は人口密度が高く、テントと山小屋に大勢の登山家が集うことだ。朝、早朝から洗面所とトイレの前には長蛇の列が続く。
奥穂高岳や北穂高岳への登頂を目指す登山家は夜明け前に出発し日が差し始める頃までぶらぶらしているのは少数の滞在者のみ。写真撮影には涸沢に日が差し込むまでが絶好の撮影時間になる。ポイントをきめ光が差し込む瞬間を待つ。それにしても撮影後、標高2400mで飲む生ビールのうまいこと。昼前からほろ酔い加減で昼寝を決め込むのも乙なものだ。
昨年から今年にかけて入院して落ちた体力回復のため近郊に撮影旅行を計画している。体力をつけてまた涸沢に紅葉を撮りに行きたいと思う今日この頃。
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