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今日の筆洗

2021年10月07日 | Weblog
野球映画の傑作といえば若き日のルー・ゲーリッグを描いた「打撃王」や「フィールド・オブ・ドリームス」「さよならゲーム」あたりを思い出すが、小欄のお薦めは米映画「エンジェルス」(一九九四年)。何度見てもほろりとさせられる▼やくざな父親が幼い息子を捨て、家出する。こんなことを言い残した。地元の弱小チーム、カリフォルニア・エンゼルス(現在のロサンゼルス)が優勝したら帰って来るよ▼父親としてはもう帰って来ないという意味で言ったのだろうが、息子はその言葉を信じて、弱いエンゼルスを必死で応援する。すると天使がやって来て、息子の願いをかなえるため不思議な力でチームの勝利に力を貸す…。見たくなりません?▼映画ではエンゼルスは優勝できないものの見事なハッピーエンドが用意されている。そのエンゼルスの大谷翔平選手。最高のシーズンを終えた▼天使の力がほんの少し足りなかったか。本塁打王、ベーブ・ルース以来の二桁勝利・二桁本塁打の記録には惜しくも届かなかったとはいえ近代野球においては信じられぬような成績を残した。断言したい。今年の大谷は史上最高の選手である▼コロナが感染拡大していた憂鬱(ゆううつ)な日々を思い出す。夜空を切り裂く鋭い打球。快足、そして右腕が投じる速球にどれほど慰められ救われたことか。大谷の背中に翼がないか確かめたくなる。