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今日の筆洗

2021年10月18日 | Weblog

五年ほど前、旅館で先輩記者と大げんかになった。原因はトイレである。酔った先輩が部屋のトイレで立って小用を足そうとして的を大きく外した。ご存じだろう。旅館の浴衣を着て用を足すのはなかなか難しい上にお酒が入っている。結果、地獄絵図である▼今も腹が立つが、この先輩、あろうことか、報告すべき事実を隠し、そのままにしていた。知らずに後から入った自分は絶叫することになる▼先輩の不始末を非難し、「今の時代、こういうトイレでは小用も座って済ませるものだ」と説得するが、相手はわびながらも「立つのが普通」と譲らぬ。オジサン二人が夜中に口論である▼あほうな話を思い出したのは最近の調査結果である。生活家庭用品メーカー、ライオンの調べによると、男性で便座に座って小用を足す人はもはや六割を超えているそうだ。「それみたか」と、あの先輩に伝えたくなる▼「座り派」に転向したのは単身赴任をした十数年前である。汚せば、掃除するのは自分。汚すリスクを軽減するため、座るのは自然なことだったし、その習慣は単身生活後も続く。同居する人間を怒らせるリスクも回避できる▼「座り派」が増えたのはコロナの影響で清潔への意識が高まっていることもあるそうだ。昔懐かしい漫画のせりふに「立つんだジョー」というのがあったが、時代は「座るんだショウ(小)」か。