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今日の筆洗

2021年10月26日 | Weblog
一九三三年、酒の販売、輸送を禁じる禁酒法が米国で廃止され、お酒が解禁された夜、酒場ではある歌が夜通し、演奏されたと伝わる。「HAPPY DAYS ARE HERE AGAIN」。幸せな日が再び−。歌いたくなる気分がよく分かる▼<幸せな日々が帰ってきた。空は再び晴れわたる。歌いましょう。心配もトラブルも過去のもの>。そんな歌である。二九年発表の曲だが、禁酒法廃止を訴えたフランクリン・ルーズベルトが大統領選のキャンペーンソングとして使い、有名になった▼禁酒法の廃止ではないが、通常営業の再開に歌いだしたくなる人もいるだろう。東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県はコロナ対策で求めていた、飲食店の営業時間短縮や酒類提供の制限を全面解除した。東京では約十一カ月ぶりの通常営業となる。長かった▼苦しい経営を迫られた飲食店側はもちろん、酒類の提供時間や営業時間を気にしないですむ利用者にとっても<空は再び晴れわたる>というところだろう▼なるほど、新規感染者数は激減している。が、あくまで「今は」である。小言めくが、通常営業になったからと感染対策まで忘れてしまえば感染リスクは再び高まる▼英国などリバウンドに苦しむ国がある。おそるおそる酒場を楽しむとするか。歌とは違って<心配もトラブルも過去のもの>とはまだ決して言えない。