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今日の筆洗

2022年04月19日 | Weblog

高速道路で古い車を見かけると速度を合わせ、ながめたくなるということが車の好きな人ならあるだろう。先日はホンダS800に出会う。半世紀も昔の車が立派に走っている▼晴れた日曜の高速道路には自慢の旧車を走らせ、調子を見るオーナーが多いのだろう。続いてトヨタスプリンターのリフトバック。これは一九七〇年代の後半か。懐かしい。確か、当時人気のアグネス・ラムさんがCMに出ていた。車一台に当時の暮らし、家族のことまで思い出す▼かつてのありふれたセダン車を見かけても、しんみりする時代がやがて来そうだ。国内自動車メーカーがその昔、主力車種としていたセダンの生産を相次いで終了している。4ドア、二列シートのかつてのファミリーカーが消えていく▼トヨタは「マークX」の生産を二〇一九年に中止。この夏は日産の「シーマ」が終わる。セダンに取って代わったのはSUVやミニバン。シート位置がセダンより高いSUVは視界も広く、運転しやすい。広い室内は使い勝手も良さそうだ。人気の理由なのだろう▼時代に逆行するように、知人がSUVからセダンへの買い替えを検討しているという。同居する高齢のお母さんが高いシートに乗り降りで難儀しているそうだ▼高齢者との同居世帯も今は珍しく、このあたりのファミリーの変化もセダン衰退と何か関係があるのかもしれない。