ことばで遊んでます

yuri
に、改名しました。
詩や短歌をかいています。
内容は、フィクションだとおもってください^^

~解体の不思議~

2010-01-14 13:23:17 | ポエム

わからない その前のこと
自由だったような そんな気はするのだけれど


自由だったとして、その先に母の胎内があって、その胎内で、その前の、おそらくその前の仕草で、わたしたちは人の形になる。四角いうねり、細丸いなだらかさ、花弁、水晶。呼吸は前のそのまま、
自由でまだ泣くことを知らない。
(たぶん、このわたしでさえ、その時は、まだ泣いていなかったと思う


なまぐさい草木がかおってる


やがて、虚構へと進化し続けてる そのことで実際ひどくくたびれてる砂へと産み落とされる。なまぐさい出産。の契約は交わされない。から、泣く。激しい。流砂は不確かで、握れるものは、およそ互いにしるしあってる傷。
だけ
なん
だ。
二足歩行は、
かな
しん
だ。


かえりたいの?だろうか
わからないとゆう自由の
そこはかとない前へ
かえりたいのだろうか


足掻く
そう、
いつも、
不自由に
足掻いてる


流砂はよみきれない波
泳ぎ方、むつかしいよ
むつかしすぎるでしょ
テレ朝通りの街路樹の、去ろうとしてる葉っぱたち
をみあげる、すくむ
わたしの上の人の形の堆積が重い
溺れる


慣れない肺呼吸 差しこまれた息の形はいつもわたしを爪先立たせて


も溺れる


溺れて ぬるって なつかしいような負荷
に握り潰されてわたしは、思わぬ浮力のなかにいた


呼吸を終えてしまった葉っぱたちが築きあげてる
有栖川公園の黒い水槽


わたしはもう足掻いてはいない


ぬるって なまぐさい草木の汗ばんでる抱擁
とろけていく 気は まもなく帰化する そして わたしは わたしの人の形を脱がされる
裏返されたりもする花弁の仕草


絶え間なく剥き続けられている果肉みたいなわたしの滴る水は、鳴りながら澄んで響いてそして輪になって あの、自由だと思ってしまうような遠い波動へと浸み広がっていく 静かな 不思議な


解体


息は 抜かれて外されて
前の息を吹き返して


そうしてわたしたちは初めて顕になる
確かな実存になる


のだろうか


果汁のかおり


泣いていたことも泣くことも次第に忘れてゆく
自由のなかで(このわたしでさえ、忘れてゆく


のだろうか