ことばで遊んでます

yuri
に、改名しました。
詩や短歌をかいています。
内容は、フィクションだとおもってください^^

~飲もう~

2020-05-25 16:51:43 | 2007・4~2009・3に、かきました
・やってらんない

離婚したばかりの友から
そんな電話があったから
わたしたちは
闇の原に
撒き
敷かれた
幾千色もの
ガラス光を
眼下に
お酒を飲んでる

・なに考えてるか
・分かんないのよ~

白いコースターのうえに
零したカシスの赤を
指先で絡めて
紡ぎだすように
きみは
近頃の
辛い





・父親そっくりの
・あの暗さ

わたしは
父親に似てしまった
12歳の
彼女の
娘の
ふすふすと
寒そうな
顔を
想い
ジンで火照った
わたしの瞼で
暖めてみる

・うずくまってるの
・こわくない ?

・なんでいきてなくっちゃいけないのって
・真顔で訊いてくるんだから
・これって
・脅迫でしょ ?

かきわられた
幾千色もの
ガラス光から
抜きんでた
タワー

高貴な
王家の
エメラルド色
してる

その足元で
煌めいてるガラス粒が
涙みたい

女王だって悲しいのよ
と、告げてでもいるよう

わたしは
となりの女王に
生ハムで包んだ
メロンのスティックを
渡す

球形にカットされた
ルビー色の雫玉

彼女の
グロスの
輝きの
なかへ
なめらかに
消えた

・ほしいんだとおもうよ
・わたしだったほしいもの
・じょうおうさまだってほしい
・ものなんだよ

・なにを

・つきぬけた愛
・きみのつきぬけた愛
・みほちゃん
・ほしいんだよ

沈黙、

静かに
アダージョを奏ではじめた
わたしたちは
フローズンラム
を飲み干して
外へ
でた

街は
幾千色もの
ガラス光の
濁流
だった

その
光束の
急流に
滲みながら
わたしたち
2色のつきぬけた光線

なって
帰っ