東京マルイの固定スライド(フィクスド)ガスガンLCPをカスタムしてみました。
命中精度が高く、パワフルで燃費にも優れ、おまけに寒さに強くてお値段もお手頃な固定スライドガスガン、でも中々新作がでないのはたぶんメーカーが儲けないからでしょうね。
どうあがいても高く売れない旧型(ソーコムはオマケをいっぱいつけて売ってますけど)が開発費用の掛かった新作ブローバックモデルを食ってしまってはメーカーも困るってのは理解できるのですが、おかげで古いのをしつこく使い続けている私のようなユーザーもいるんです。
と思ってたら久しぶりに新作の固定スライドガスガンをマルイがシリーズ化してくれました。もちろん上位機種を食わないように小型モデル限定という制約つきですが(汗)
箱出しLCPノーマルのパワーはマガジン温度28℃(手で少し温めたくらいの温度です)で0.36J(HCF134a使用)、0.2g弾の弾速にすると60m/sぐらいといったところでした。インナーバレルが60mm台しかない小型モデルとして見ればこんなものなのかもしれませんが、固定スライドガスガンとしてはかなりのアンダーパワー、あと気になる箇所も少々ありました。
気になる箇所その①は「指が痛いトリガー」、トリガープル自体は2.5㎏ぐらいで固定スライドガスガンとしてはそこまで重くありませんが、私の場合トリガーの角がちょうど指の骨に当たるので重いというよりは痛いんです。あとハンマーリリース後のトリガーに遊び(隙間)がありすぎるのでラフに撃つと銃が大きくブレてしまいます。
気になる箇所②「極ショートストロークなハンマー」、フルサイズ仕様のマガジンで内部スペースが少なくなるのは分かりますがLCPのハンマーはそれ以上に可動域が制限されています。
スペースにはまだ余裕があるしトリガーのストロークも遊びまくっているので、この辺はバリエーション展開を考えてユニット化した弊害といったところでしょうか、ガク引きトリガーもこれが原因です。
と、イロイロ文句を並べたところでカスタムに入ります。まずは前述したハンマーのストロークアップ、前述したトリガーの遊びを利用すればハンマーの可動域を伸ばすことができます。
シアーの調整はデリケートな作業で失敗するとトリガーが引けなくなりますが、ギリギリまで詰めるとトリガーの遊びをなくしてハンマーのストロークアップも同時に図ることができます。
あと分解していて気がついたのですがノーマルはこの部分にバリがあるのでハンマーの動きが悪くなっているようです。バルブを叩く力は少しでも欲しいので均してフリクションを最小限に抑えておきます。
トリガーの可動域が変わると給弾のタイミングも変更する必要があります。ついでにパーツの接触部分に真鍮製のパーツを挟んでフリクションを抑え、その分でリターンスプリングは少し弱くしてみました。
バルブチューニングも行いました。ヘッドの小さな左の真鍮製バルブがノーマルで右のやや大きいのが私の作ったものです。バルブベースの口径もこれに合わせて拡大しました。バルブ径が大きくなるとマガジン側にも干渉してしまうので手を入れる必要がありますが、無加工で取り付けできる市販のカスタムバルブよりもガス流量のUPが図れます。
ひとまず試射です。パワーは0.47J(ノーマルと同条件)でノーマル比130%のUP、小さなマガジンとフルサイズモデルの半分しかないバレル長のLCPでもそれと並ぶ十分なパワーを得ることができました。インナーバレルをもっとタイトな物に交換すれば更に上がるんじゃないかと思います。
トリガーの遊びがなくなったことで固定スライド本来の命中精度も復活、めでたく上位モデルと並ぶ性能を手に入れたLCPカスタムだったのですが・・・
やっぱり指が痛いんで少しハンマースプリングを弱めてみました。この辺は個人差があるとは思います(汗)
そんな訳で最終的にパワーは少し下がって0.42J(画像左)です。これでもマルイの18禁エアコッキングハンドガンぐらいとは並ぶので良しとしておきましょう。ちなみにこのセッティングでも温度を36℃まで上げれば0.60Jくらい(画像右)出るようですので、真夏は長物電動ガンともガチ勝負ができるかもしれません(笑)
ところでLCPをイジってて思い出したのですが、ウチにはもう一丁コンパクトなガスガンがあるんです。25年前にカスタムしたこの25オートもまたそのうちご紹介したいと思います。