PDFというのは紙の煩わしさを軽減してくれるものだ.
大きい紙を印刷できるプリンタがなくてもPDFファイルなら扱いは同じだし,必要に応じてズームイン or ズームアウトすれば済む.
だからきっちりページに収まるのが良しとされてきた歴史的経緯があった.
したがって,集約印刷はあっても,分割印刷がAdobe Acrobatでも存在しえない概念だった.
「大きいの右と左でわけてくれへん?」
そう言われてハッとした.
紙でそうなるものをそうしないためのPDFだからだ.
私だったら分割して印刷するが,冷静に考えてみれば,うちの環境だからそれができるだけで,一般の人がそれをしようとすると,コンピュータリテラシー的な障壁があるのは明白だからだ.
企業で複合機を持っているところでも,集約印刷に気付かないところは多い.
ならさらにややこしい分割印刷なんて,もっと困ったことになるだろう.
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この問題を解決するのに,Adobe Illustratorを使った.
Illustratorなど,もはや一般人に求めることすらおかしい.
それくらいAcrobat等,PDFを作成するツールでは手に負えない問題だった.
便利,便利と思っていたが,そこに存在する偏見に気付かないでいたために,紙の持つ利便性を忘れてしまうところだった.
PDFはPortable Document Formatの略である.
紙のPortabilityをも取り込むためにも,集約だけでなく分割の概念も取り入れるべきだろう.
そうすればPDFのPの文字がより一層光る.
こういうことに気付かされる時,私はお客様に恵まれているなぁと思う.
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