それからは、もうねえ。
あーた。
オート·リダイアル機能人間に
なりまして。
気が狂ったように
電話をかけては、切り、
かけては、切り、
かけては、切り…
でも、長男の携帯は
無情にも
「ただ今、電話に出る事ができません…」の
アナウンスを
繰り返すばかり。
電話の合間に
smsや、ワッツアップも、
書いてみるけど。
既読にもならないし
返事も来ない
落ち着け…
落ち着け…
誰と出かけてるのかも
わからないから
夜中に
よその子の携帯に
電話をかけることも
できず。
何か他に
連絡を取る
方法はないか、と
グルグルと
考えておりやした。
3時を過ぎた頃に
ムックリ、父ちゃんも
起きてきて
「まだ、連絡来ないの?」
と
明らかに
イラついた表情で
ひつじ飼いに
聞いてきた。
うん。まだ、来ないよ…。
わしが、そう答えると
今度は、父ちゃんが
携帯を握って
かけては、切り、
かけては、切りを
やり始めた。
1時間近くも
二人して
そんな事
してたかな。
二人とも、無言で
ただ、手だけを動かして…。
でも、何度やっても
結果は、同じ。
ただ今、電話に出る事ができません…
さすがに、
疲れてきて
とろりとした感覚が
やってくる。
もうそろそろ、
寝ないと
明日、田舎に
行けなくなっちゃうな。
まさか、事故なんて、
思いつきもしないから。
まだ、そんな
呑気な事が
言っておれた
わけだけども。
と。
とーちゃんが、
いきなり
携帯をぶん投げて
バタン、と
ふてくされたように、
横になってしまった
明らかに怒った顔で
目を閉じている
あーやっぱ、とーちゃんも
同じこと考えてんだ
と、思いつつ
とーちゃんの横に
わしも寝転がって
しばらく、暗闇の中で
2人で、黙って
悶々と
転がってたわけっすよ。
どのくらい
経った頃か…。
なんと。
わしの携帯が
いきなり、けたたましく
鳴り騒ぎ始めて!
ガバッと二人一緒に
飛び起きて見ると
当然、それは
長男からの着信。
時計を見ると
時間は、午前4時半。
アワアワしながら、
電話に出ると
「あ!お母さん~。俺~。あのさあ、実は、友達の車に乗ってたんだけど、そのバカが、事故リやがってさ。俺達、今すぐ、帰って来れないんだよね。あ!でも、大丈夫!心配しないで!アシが見つかったら、すぐに帰ってくるから…」
精一杯の
明るい声を作りながら
状況を
説明しようとする
長男の声が
何だか、すごく
遠いところから
聞こえてくるような
気がして。
わしのアタマは
一瞬にして
マッチロ、
になったんざんす。
あ、いえ、
図太いんで
気絶とかは
しないんですが
状況が、よく
アタマに入ってこない。
言われてることが
よくわからない?
長男は、
一方的に、まくし立てると
電話を
切っちまいました。
わけもわからずに
????な、わし
と。
とーちゃんが、横から
このバカ、何て言ってきたんだ?
と
鬼の形相で
問いただして、きやした。
はっと
我に返ったわし。
「何か、友達の車で、事故やったとか、言ってるんだけど?よくわからなくて??」
だってさ。長男は、
この辺のカフェで
友達と
だべってるハズだったでしょ?!
遠出しない
約束だったでしよ?!
要領を得ない
わしの回答に
イラついた、
とーちゃんは
改めて、長男に
コールバック
わしは、慌てて
父ちゃんに、釘を刺した。
「怒鳴っちゃダメだよ。すごい、声が、怯えてたから。普通に、冷静に、話してやって。」
そうなのだ。
長男、あんだけ隠そうと
していたにも
関わらず。
明らかに、声は
震えていたのだ。
一体、長男に
何が起こったのか?
顔は鬼だけど
声は、ノーマルのフリをして
長男と話す、
とーちゃん。
話せば、話すほど
顔は険しくなっていく
何?何がどうなったって?!
電話を切った
とーちゃんに
詰め寄ると
アホが、事故やったらしい。
迎えに行ってくるから。
もどかしそうに
服を着替えると
家から
飛び出そうとする
とーちゃん。
ちょっと、待ってよ!
何がどうなったって?!
と、問いただす
ひつじ飼いに
ウルギュップに行く方の
道で、事故やったらしい。
迎えに行ってくる。
とだけ
簡潔に答えると
とーちゃんは、
あっという間に
煙のように
消えてしまったのだす。
わしの人生の中で
こんなにも
時間が経つのが
長く感じられたのは
本当に、
初めてだったかも、しれない
その間、約30分。
立ったり座ったり
歩き回ったり。
手に持つ携帯に
絶えず、チラチラと
目を落とす
そりゃあ、毎分ごとに
時計と睨めっこしたって
時間なんか
経つわけないんだけど。
見ずには、
おられない。
いらいらが
募る。
事故ってなんだ?
長男、わしに嘘ついて
ウルギュップの方に
ドライブに行ってたって?!
あの大馬鹿野郎
絶対に許さん。
帰ってきたら、絶対に
ぶん殴ってくれるわ。
なんだか、頭が
ガンガンする。
長男が、事故やった事に
泣いていいのか
無事らしい事に
喜んでいいのか、
わけもわからずに
無駄にウロウロ、している間に
ジリリリリリ…と
ついに、玄関ベルの音がした。
飛んでいって
ドアの鍵を開ける
まずは、般若の
とーちゃんが、入ってきた
その後から…
おずおずと
長男が
顔を出した!
ぶん殴ってやる
予定だったのに
自分でも、思ってもみなかった
行動に出た。
長男の、頭から、
足の先まで
ペタペタ触って
触診を始めてしまった(爆)
「大丈夫、お母さん。五体満足だから」
と、長男が
答えたが早いか
バチン!と1発
平手打ちを、くらわした。
それから、思いっきり
ギュッ~~~~と
長男の頭を
下に引っ張って、抱きしめた。
でかいので、
抱きしめるのも、
一苦労だ。
「お母さん、俺、あんな車から、生きて出てこれて、本当によかった…」
かすかに、涙声の
長男が、言う。
「まったくだ。あんな車から、
生きて出てこれたなんて、奇跡だぞ。しかも、怪我もなく」
そう言って
とーちゃんは、
スマホで撮った写真を
見せてくれた
ひしゃげて
上から、プレスしたような
不条理な形に、
完全に、潰れてしまった
おもちゃのような
車の写真。
「この中から、子供4人。
ほぼ、無傷で、出てきたんだよ」
真面目に、
めまいがした。
しかも、長男
微妙に酒臭い。
ということは。
子供4人が、イキガッテ
飲酒運転をして
ハンドル操作を誤った
そんなところだろう、と
想像はついた。
でも、正直
そんな事は、
その時の自分には
どうでも良かった
抱きしめた長男は、
暖かった
手も足も、ついてたし
怪我もなかった
あとのことは
どうでもよかったのだ。
その時、横から
とーちゃんが、
「もう寝ないと、明日、田舎に、
行かないと、ならないからな。」
その声で
我に返った。
怒ったような
表情を作り
長男を
急き立てて、
ベットに
放り込んだ。
でも、
確かめるために
横になってから
ぎゅ~~~~と、
もう一回、長男を
抱きしめてみた。
長男は、
お母さん、ごめんね、
と言った。
「このアホタレ、バカ息子が!
早く寝なさい!」
そう言うと
少々、乱暴に
扉をしめて
長男の部屋を出た。
本当に、嬉しかった。
ただ、ただ、嬉しかった。
それから、いそいで
自分も、布団に潜り込んだ。
1秒もしないうちに
ものすごく、深い眠りに落ちた
その時、初めて
自分が
ものすごく、疲れていた事に
気づいたのでした~。
本日も、お付き合いいただいて
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あーた。
オート·リダイアル機能人間に
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気が狂ったように
電話をかけては、切り、
かけては、切り、
かけては、切り…
でも、長男の携帯は
無情にも
「ただ今、電話に出る事ができません…」の
アナウンスを
繰り返すばかり。
電話の合間に
smsや、ワッツアップも、
書いてみるけど。
既読にもならないし
返事も来ない
落ち着け…
落ち着け…
誰と出かけてるのかも
わからないから
夜中に
よその子の携帯に
電話をかけることも
できず。
何か他に
連絡を取る
方法はないか、と
グルグルと
考えておりやした。
3時を過ぎた頃に
ムックリ、父ちゃんも
起きてきて
「まだ、連絡来ないの?」
と
明らかに
イラついた表情で
ひつじ飼いに
聞いてきた。
うん。まだ、来ないよ…。
わしが、そう答えると
今度は、父ちゃんが
携帯を握って
かけては、切り、
かけては、切りを
やり始めた。
1時間近くも
二人して
そんな事
してたかな。
二人とも、無言で
ただ、手だけを動かして…。
でも、何度やっても
結果は、同じ。
ただ今、電話に出る事ができません…
さすがに、
疲れてきて
とろりとした感覚が
やってくる。
もうそろそろ、
寝ないと
明日、田舎に
行けなくなっちゃうな。
まさか、事故なんて、
思いつきもしないから。
まだ、そんな
呑気な事が
言っておれた
わけだけども。
と。
とーちゃんが、
いきなり
携帯をぶん投げて
バタン、と
ふてくされたように、
横になってしまった
明らかに怒った顔で
目を閉じている
あーやっぱ、とーちゃんも
同じこと考えてんだ
と、思いつつ
とーちゃんの横に
わしも寝転がって
しばらく、暗闇の中で
2人で、黙って
悶々と
転がってたわけっすよ。
どのくらい
経った頃か…。
なんと。
わしの携帯が
いきなり、けたたましく
鳴り騒ぎ始めて!
ガバッと二人一緒に
飛び起きて見ると
当然、それは
長男からの着信。
時計を見ると
時間は、午前4時半。
アワアワしながら、
電話に出ると
「あ!お母さん~。俺~。あのさあ、実は、友達の車に乗ってたんだけど、そのバカが、事故リやがってさ。俺達、今すぐ、帰って来れないんだよね。あ!でも、大丈夫!心配しないで!アシが見つかったら、すぐに帰ってくるから…」
精一杯の
明るい声を作りながら
状況を
説明しようとする
長男の声が
何だか、すごく
遠いところから
聞こえてくるような
気がして。
わしのアタマは
一瞬にして
マッチロ、
になったんざんす。
あ、いえ、
図太いんで
気絶とかは
しないんですが
状況が、よく
アタマに入ってこない。
言われてることが
よくわからない?
長男は、
一方的に、まくし立てると
電話を
切っちまいました。
わけもわからずに
????な、わし
と。
とーちゃんが、横から
このバカ、何て言ってきたんだ?
と
鬼の形相で
問いただして、きやした。
はっと
我に返ったわし。
「何か、友達の車で、事故やったとか、言ってるんだけど?よくわからなくて??」
だってさ。長男は、
この辺のカフェで
友達と
だべってるハズだったでしょ?!
遠出しない
約束だったでしよ?!
要領を得ない
わしの回答に
イラついた、
とーちゃんは
改めて、長男に
コールバック
わしは、慌てて
父ちゃんに、釘を刺した。
「怒鳴っちゃダメだよ。すごい、声が、怯えてたから。普通に、冷静に、話してやって。」
そうなのだ。
長男、あんだけ隠そうと
していたにも
関わらず。
明らかに、声は
震えていたのだ。
一体、長男に
何が起こったのか?
顔は鬼だけど
声は、ノーマルのフリをして
長男と話す、
とーちゃん。
話せば、話すほど
顔は険しくなっていく
何?何がどうなったって?!
電話を切った
とーちゃんに
詰め寄ると
アホが、事故やったらしい。
迎えに行ってくるから。
もどかしそうに
服を着替えると
家から
飛び出そうとする
とーちゃん。
ちょっと、待ってよ!
何がどうなったって?!
と、問いただす
ひつじ飼いに
ウルギュップに行く方の
道で、事故やったらしい。
迎えに行ってくる。
とだけ
簡潔に答えると
とーちゃんは、
あっという間に
煙のように
消えてしまったのだす。
わしの人生の中で
こんなにも
時間が経つのが
長く感じられたのは
本当に、
初めてだったかも、しれない
その間、約30分。
立ったり座ったり
歩き回ったり。
手に持つ携帯に
絶えず、チラチラと
目を落とす
そりゃあ、毎分ごとに
時計と睨めっこしたって
時間なんか
経つわけないんだけど。
見ずには、
おられない。
いらいらが
募る。
事故ってなんだ?
長男、わしに嘘ついて
ウルギュップの方に
ドライブに行ってたって?!
あの大馬鹿野郎
絶対に許さん。
帰ってきたら、絶対に
ぶん殴ってくれるわ。
なんだか、頭が
ガンガンする。
長男が、事故やった事に
泣いていいのか
無事らしい事に
喜んでいいのか、
わけもわからずに
無駄にウロウロ、している間に
ジリリリリリ…と
ついに、玄関ベルの音がした。
飛んでいって
ドアの鍵を開ける
まずは、般若の
とーちゃんが、入ってきた
その後から…
おずおずと
長男が
顔を出した!
ぶん殴ってやる
予定だったのに
自分でも、思ってもみなかった
行動に出た。
長男の、頭から、
足の先まで
ペタペタ触って
触診を始めてしまった(爆)
「大丈夫、お母さん。五体満足だから」
と、長男が
答えたが早いか
バチン!と1発
平手打ちを、くらわした。
それから、思いっきり
ギュッ~~~~と
長男の頭を
下に引っ張って、抱きしめた。
でかいので、
抱きしめるのも、
一苦労だ。
「お母さん、俺、あんな車から、生きて出てこれて、本当によかった…」
かすかに、涙声の
長男が、言う。
「まったくだ。あんな車から、
生きて出てこれたなんて、奇跡だぞ。しかも、怪我もなく」
そう言って
とーちゃんは、
スマホで撮った写真を
見せてくれた
ひしゃげて
上から、プレスしたような
不条理な形に、
完全に、潰れてしまった
おもちゃのような
車の写真。
「この中から、子供4人。
ほぼ、無傷で、出てきたんだよ」
真面目に、
めまいがした。
しかも、長男
微妙に酒臭い。
ということは。
子供4人が、イキガッテ
飲酒運転をして
ハンドル操作を誤った
そんなところだろう、と
想像はついた。
でも、正直
そんな事は、
その時の自分には
どうでも良かった
抱きしめた長男は、
暖かった
手も足も、ついてたし
怪我もなかった
あとのことは
どうでもよかったのだ。
その時、横から
とーちゃんが、
「もう寝ないと、明日、田舎に、
行かないと、ならないからな。」
その声で
我に返った。
怒ったような
表情を作り
長男を
急き立てて、
ベットに
放り込んだ。
でも、
確かめるために
横になってから
ぎゅ~~~~と、
もう一回、長男を
抱きしめてみた。
長男は、
お母さん、ごめんね、
と言った。
「このアホタレ、バカ息子が!
早く寝なさい!」
そう言うと
少々、乱暴に
扉をしめて
長男の部屋を出た。
本当に、嬉しかった。
ただ、ただ、嬉しかった。
それから、いそいで
自分も、布団に潜り込んだ。
1秒もしないうちに
ものすごく、深い眠りに落ちた
その時、初めて
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ものすごく、疲れていた事に
気づいたのでした~。
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