長島敏春「逗子日乗」(旧「生命のサンゴ礁」)

2007年温暖化による石垣島のサンゴ礁大白化に遭遇。「生命のサンゴ礁」を開始。2023年に「逗子日乗」とする。

「水中スナップ」の由来

2008年10月11日 | 石垣島

昨年、書いた「水中スナップ 命を育むサンゴ礁」という一文を紹介します。私の素直な写真に対しての想いです。
 「水中写真が撮りたくて、スキューバライセンスを取ったのは、20年前になります。無謀にも、ライセンスを取って、初めてのダイビングで、水中カメラ(ニコノス)を持ち込んで海に入りました。伊豆の海でした。船は揺れるし、海に入るまでが大変でした。海に入っても、中世浮力もとれないのに、カメラを持ちました。結局、エアが少なくなり、すぐ上がりました。写真は、一度シャッターを押しただけで終わりました。
 翌年、沖縄の離島に行きました。海はきれいでしたが、写真は上手く撮れませんでした。水中写真の難しさを知らされました。結局この旅行をきっかけに私の水中写真が始まりました。同じ年にモルジブ共和国に行き、その後、パラオ共和国、オーストラリアのグレートバリアリーフにも行きました。沖縄の離島にも何回か行きました。
 5年前から、沖縄の石垣島に通うようになりました。石垣島の海は素晴らしい。世界有数のサンゴ礁に魅了されました。初めて、海を撮る楽しさを感じました。
 撮影は順調に進みました。海に感動して写真を撮る。美しい海、愛らしい魚たち。しかし、それだけの写真です。何か存在感のない、きれいなだけの写真です。次第に行き詰まりました。納得のいく写真がなかなか、撮れません。その後試行錯誤が続きました。そして、一番大事な、海や魚たち、サンゴたちに、迫る視点を思い出しました。
 2007年8月、8度目の石垣島です。海に入った瞬間息を飲みました。あたり一面のサンゴ礁の白化。私は、ありのままをありのままに、撮ろう瞬時に思いました。私たちのサンゴ礁を取り戻さなくてはならない。私は海の中を這いずり回り、魚と同じ視点で海の中を、サンゴ礁の白化をスナップしました。」