1.夕暮は大きな書物だ
すべてがそこに書いてある
始まることや
終わることや
始まりも終わりもしないページの中に
2.誰があかりを消すのだろう
夕暮
あんなに静かにやさしい手で
空の全部にさわっていって
恋人たちは知っている
二人の愛が消すのだと
子供たちは知っている
みんなの歌が消すのだと
だが 私は 知らない
誰があかりを消すのだろう
夕暮
それは私のお父さんではない
それは私の愛する人でもない
それは風でも思い出でもない
誰があかりを消すのだろう
夕暮
私が夜を欲しい時
私が夜を憎む時
誰があかりを消すのだろう
3.誰もいない隣の部屋で
誰かが呼んでいる
まるで私のように
私は急に扉を開ける
こっちは暗いのに
そこには明るく陽が射していて
たった今誰かが立ち去ったところらしく
影がちらっと目をかすめる
だが私が追うともう誰もいず
あたりまえの夕方になる
花瓶には埃がつもっている.
窓をあけると空が明るくそこでも…
誰かが呼んでいる 私のように
4.死者のむかえる夜のために
今日残されたものはひとつの夕暮
うす闇に
しばらくはふりかえる人のうなじ
貧しい者の明日のために
今日残されたものはひとつの夕暮
手をつなぎ
家路をたどる子等の歌
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