春のために
砂浜にまどろむ春を掘りおこし
おまえはそれで髪を飾る おまえは笑う 波紋のように空に散る笑いの泡立ち 海は静かに草色の陽を温めている おまえの手をぼくの手に
おまえのつぶてをぼくの空に ああ 今日の空の底を流れる花びらの影 ぼくらの腕に萌え出る新芽
ぼくらの視野の中心に しぶきをあげて廻転する金の太陽 ぼくら 湖であり樹木であり 芝生の上の木洩れ日であり 木洩れ日のおどるおまえの髪の段丘である ぼくら 新らしい風の中でドアが開かれ
緑の影とぼくらとを呼ぶ夥しい手 道は柔らかい地の肌の上になまなましく 泉の中でおまえの腕は輝いている そしてぼくらの睫毛の下には陽を浴びて 静かに成熟しはじめる 海と果実 「記憶と現在」より
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銚子周辺 2025.1.25 3週間前
念のため、ちょっと覗いてみると、予想外でした。
ステキな詩!
春はいいですね。
この詩は出だしの一行でもう参ってしまいましす。
私の果実は成熟したのでしょうか?