人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

文学が消えてゆく

2018年01月26日 | 日記

宮本輝「泥の河」はもはやない

あの時代へのオマージュ。

あんなに辛い時代だったのに

文学はそれを詩に昇華させて

私らに哀切の情を掻き立てる

のですね。

今の土佐堀川あたりにはかけらも

その名残などないでしよう。

そしてあればそれこそ自治体として「排除」したい

そのものですよね。

だからーー

文学は魔法なのですね。

ひとはそんな魔法を求めてせめてもの文学碑を建てたり

ここがそうだったんだねと

井上靖の跡を辿ったり

藤沢周平、海坂藩の地図を作ったりするのですね。

幻を追うのは楽しいしわくわくするけれど

とりわけ大阪が舞台では「文学」は

夢まぼろしと消え果てているのでした。

それにしても

小栗康平のあの映画のなかで

やっぱり強烈に記憶に焼き付いているのは

加賀まりこでした・・・