日々の美学を求めて

秘湯・グルメ・旅行・ポケモンgo・ムーミン
(粋と張りを本領とし計らって活きる)

DVD「わが母の記」

2012年10月02日 | 映画(DVD)
DVD「わが母の記」

製作年:2011年 製作国:日本
昭和の文豪・井上靖の自伝的同名小説を役所広司と
樹木希林の主演で映画化した家族ドラマ。
子どもの頃に母に捨てられた記憶がトラウマとして
残り、母とのわだかまりを抱えたままの主人公が、
年老いていく母と向き合った日々を丁寧な筆致で
描いていく。
ベストセラー作家の伊上洪作は、幼少期に自分
だけが両親と離れて育てられた経験を持ち、
“母に捨てられた”との気持ちが拭えないまま
今もなお深い心の傷となっていた。そのせいか、
自分の娘たちには必要以上に干渉してしまい、
反抗期の三女・琴子は洪作への反発を強めていた。
一方、母・八重は父の死後、洪作の妹たちが面倒
を見ていたが、次第に物忘れがひどくなっていく。
・・・と言う解説。

母親と子の絆を、真摯に綴った自伝的物語
親に捨てられたという暗い過去を背負ったまま
それでも、死期がそう遠くはない母と、
残された時間の限り向き合おうとする
そんな主人公の模索する姿
認知症が進んでいくおばあちゃん
この希林さんおばあちゃんのキャラクターが
物語を暗くさせてしまわない秀逸の一言に尽きる存在
そして、その周りで起こる様々なドタバタ
家族、親戚を巻き込んでの、山あり谷ありの日々の生活を通して
私たちはきっと、この親子に素直に寄り添えることができるのでしょう

家族の絆というのは
時には歩み寄り、時には赦し
一方的なものでは成立しない
だからこそ、かけがえのないもの・・・
母親に行った主人公の行いは
一度でいいから母に愛されたいと渇望する
その現われのような気がしたのです・・・

だから
脳細胞の記憶ではない、母としての魂の記憶
“海峡”の朗読には、私の心が・・・心から泣けました。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする