我が家ではようやくホンジロを搔いた。ホンジロとは代掻きの仕上げのことで、地域によって呼び方はいろいろであり、このあたりではアゲシロと呼ぶ人も多い。ホンジロを自らするのは初めてである。わたしが代掻きにかかわるようになってから、まだ10年余といったところだろうか。最初のころは慣れなかったから、アラジロ(荒代掻き)はしたが、ホンジロは委託していた。ところが昨年、委託した方が慣れていない方で、わたしのした荒代掻きより凸凹が目立ったという。そのせいかどうかはわからないが、昨年の我が家の米の出来は悪かった。そこで今年は妻から「あんたがやって」と言われ、初めてのホンジロを掻いたわけである。それほど難しいことではないので、委託する必要もなかったのだが、毎年同じ方が来られていて「慣れていた」ということもあって委託していた。ところが昨年はそれまでホンジロをしていただいた方が引退されて違う方が来られた。ということで凸凹だったようである。
さて、我が家では昨年記したようなウイングハローはない。したがって小型のトラクターのロータリーだけで代を掻く。小型のトラクターは水田の少しの凸凹で左右に傾いてしまうため、均平度を上げることは難しい。ウイングハローを使う人たちにくらべたら神経を使う。昨年も記したとおり、今のところ「けしてなくならない作業」である「代掻き」である。したがって均平しやすいという面ではウイングハローは欲しい機械だが、我が家のような小さなトラクターで、かつ田んぼも不正形で小さいとなると、改善の余地はない。当分の間、今のトラクターで綺麗にシロが掻けるように練習するのみである。
ということで、ホンジロを掻いたが、やはり均平度が低い。そこで久しぶりに実践したのは「梯子曳き」である。我が家の周辺では、今もって代掻きの後に梯子を曳く家は多い。繰り返すが水田が小さいから致し方ないのだろう。加えて梯子を曳くと、意外にそこそこ平らになる。そして「梯子曳き」はそれほど大変な作業ではない。その割に均平度を上げる容易な作業だということで、ウイングハローが一般的でないエリアでは、「梯子曳き」はいまもって当たり前に存在する作業なのだ。ウイングハローが一般的な地域の人たちにしてみれば、「アホラシイ」作業であるに違いないのだが、恥ずかしながら梯子を曳いたら「平らになった」。この「梯子曳き」子どものころよくやらされた作業である。もう半世紀前のこと…。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます