平成6年である。これまでにも誤字脱字について話題にしたが、この年の記録はこれまで以上に誤字の連続で、読みにくい記録となっている。例えば「協議」を「競議」、「坂」を「岐」、「委員」を「秀員」などのほか、辞書にもない作られた漢字も見受けられる。そもそも記録を書いているのは常会長かと思っていたところ、「常会長さんより〇〇話がありました」という記録から、書いているのは常会長ではないことがわかった。
例年のように7月から8月まで「慰労会」が続く。7月19日は女子バレーボール、8月1日ソフトボール、8月15日盆野球、8月16日盆野球といった具合である。
8月9日に隣接する他自治体の集落と、下水道に関する和解調印が行われたと報告がある。これは、隣接集落が下流域であり、処理水を放流するにあたり隣接集落より異論があったためのこと。記録には「過去において〇〇区の皆さんに迷惑をかけたことに、今後再び繰り返さない強い反省を込めたお詫びの言葉」とある。この和解に関する「協議経過」も添付されており、隣接地域からの要求に対する区長名の広報も綴られている。それによると、①「過去においてバス運行に際し、地権者に無断で拡幅を行ないその補償もされていないこと」、②ゴミ焼却場について当該区などからの過大な補償要求により、誘致を断念に至ったこと」、③「〇〇施設を当該自治体が誘致したにもかかわらず、その排水をこちら側の地積に持ってきたこと」、④「最近に至るも依然としてゴミの不法投棄が後を絶たず、又過去に〇〇施設誘致にも反対され、養豚団地の悪臭公害についても補償されていない」といった不服申立がされている。結果的に①「今までの経過及び問題点を区民に周知させる」、②「自治体、区として誠意の表せる言動、行動をとる」、③「環境美化への努力と不法投棄防止の徹底」と、和解に至っ後の「これからの課題」がまとめられている。当該区にあたる常会のある地域は、地域の主たるマチから隣接地域の道路を通過して入る人が多い。ようは、他地域との連絡道は、ほかの自治体を通過する。したがってそうした道路沿線に迷惑をかけているという意識を強く持たれていたというわけである。時おりある例かもしれないが、ふつうは上流域と下流域は同じ自治体であることが多い。ところが上流域が別自治体であるということから、こういう事例が発生する。もちろん同じ自治体内であっても、上流域と下流域で揉めることはよくあるが。
続く
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