昭和61年11月30日~12月1日撮影
昭和61年11月30日から翌日にかけて、東栄町河内の花祭りを訪れている。記憶もだいぶ曖昧となっているが、撮影した写真リストからうかがうと、最初からではなく「須佐之男命」あたりから見ていたと思われる。いかにも花祭りらしい須佐之男命の面をつけ、狩衣の羽織と袴にたすき掛け、足袋に草鞋ばきで榊を持って登場する。
「大蛇退治」は獅子を大蛇とみなしているもので、須佐之男命が舞っているところに登場し、酒に見立てた大釜の湯を飲んだりする。大蛇は須佐之男命に退治されることになるわけだが、ようは獅子は「退治される」側である。
四つ舞が舞われているうちに夜は開けてきて、いよいよ朝鬼が登場してくる。面の色と同じ上着にたっつけをはき、太いたすきを掛け、足袋・草鞋履き、白鬼と赤鬼は鉾を、青鬼は槌を持っている。白鬼、赤鬼、青鬼の順で登場し、竈の周りを舞う。最後に竈の上の湯蓋の中央に付けられた蜂巣を突き破り、火をはねるのである。
朝鬼が終ると「湯ばやし」である。白い鉢巻きに上着を着て赤いたすきを掛け、たっつけをはく。足袋・草鞋履きでたわしを両手に持って登場する。竈の周りで舞い、最後にたわしで釜の湯を見物人にかける。
湯ばやしのあとは「花そだて」で、竈の上に飾ってある湯蓋をおろすと、それを持って竈の周りを回る。
花祭りについては、さすがに動画がウェブ上にいくつもアップされている。30年以上前とは大きな違いである。こうした動画を確認すれば、事前にイメージできるわけで、まったくわからない初めての空間に足を踏み入れるのとは違う。
さて、今年も11月30日が河内では祭日である。(河内地区花祭行事次第)
昭和61年12月1日は、河内から旧水窪町に出て、ヒョウ越経由で帰ってきた。途中水窪町向市場で女神が男神の男根を握ることで知られる道祖神に立ち寄った。「絶世の美男美女であった二人の兄妹は、余りにも美しすぎて結婚相手を見つけることができず、お互いに花嫁、花婿探しの旅に出て、相手を探し求めましたが結局見つからず、お互いの相手は他にはいないと気づき、兄妹で夫婦になりました」という兄妹婚伝承のある道祖神である。
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