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続々「犬神」中編

2023-05-04 23:29:09 | 民俗学

続々「犬神」前編より

七久保上通り「犬神」

 

七久保北村「永代守犬」

 

本郷日影坂「犬神」

 

 「犬神」と単純に刻まれた石碑が意外に多い。そして年銘があまり見られないのも特徴である。前編で触れた『飯島町の石造文化財』(2006年 飯島町教育委員会)に記載されている七久保の6基のうち、11.と12.以外の4基は、現地におもむいたが見つけることができなかった。あらためて探してみるが、11.の上通りのものが、1枚目の写真である。やはり「犬神」と刻まれており、こぶりな石碑(碑高39センチ)である。それほど古いものではなく、やはり飼い犬が亡くなった際の供養なのかもしれない。

 七久保のもう1基、北村にあるものは刻像碑である。上部に「永代守犬」とあり、「文久元酉八月」と年銘があるというが、はっきりは読み取れなかった。写真2枚目がそれであるが、陰影がつきやすい時間を狙って撮影したが、いまひとつはっきりはしていない。上部にに「永代守犬」となければ、刻まれた像が「犬」であるのかははっきりしない。尻尾があきらかなところから狼にみえるかもしれない。珍しい刻像碑であることに違いはない。

 記載されているもののうち本郷日影坂にある「犬神」は3枚目の写真のもの。ほかの石碑とともに並んでおり、こちらの「犬神」はふつうの石碑並みに大きさもある。碑高は45センチあり、「道祖神」とともに並ぶ。ほかに蚕玉様も祀られており、祭祀空間から捉えると個人建立ではないのかもしれない。

続く


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