今朝のこと。
つんちゃが道の真ん中でヘタレていると、
道路の向こう側からこちらへ近づいてくる男性がいた。
何かな?と思っていると静かな口調で
「犬を探しているんです。」と
1枚のチラシを手渡された。
動物病院はもちろん、ペットショップや、公園、
いろいろな場所に張り出されてある見覚えのあるチラシ。
目にしないワンコの飼い主の方が少ないんじゃないかと思うくらい、
およそ犬連れが立ち寄りそうなところにはほとんど貼られている。
ワタシのまわりでもほとんどの飼い主さんたちはその名前を知っている。
でも・・・まだ見つからないそうだ。
飼い主の方に直接お会いしたのは今朝が初めてだった。
いなくなったのは2010年5月26日というから、
丸3年。
「家族ですから。諦めきれないんです。」という飼い主さんの言葉に、
切なくなる思いがした。
探し続けることは大変なエネルギーを要することだと思う。
探して歩くためには行動する体力。
必ず帰ってくることを信じる気力。
配って回るチラシにもお金はかかる。
犬探しに関して、
2人の作家を思い出す。
ドイツ文学者だった中野孝次とロシア語通訳だった米原万里。
中野孝次は「ハラスのいた日々」という作品の中で、
ハラスの失踪期間の苦悩を描いている。
1970年代の頃の話なので、
今のようにネット社会ではない。
スキー場で行方不明にったハラスを探すのに
交流のあった地元の人たちの協力の他に、
使った手段は「新聞の折り込み広告」だったという。
米原万里の待ち続けたゲンは、結局彼女の他界により、
この世では再会することがかなわなかった。
ロシア語通訳の第一人者だった彼女も、
動物のこととなると冷静な判断ができなかったと著書の中で
その失敗を書いている。
怪しいと思いながらも藁にもすがる思いで「犬探偵」なる相手に
まんまとお金をだましとられたこともあったというのだ。
超多忙を極めていた彼女だけれど、
どこへ行っても、海外からでさえ、
動物愛護センサーへ確認の電話を入れることを怠らなかったそうだ。
病床にありながらも最後まで、ゲンの帰りを待ち続けたという。
中野孝次の本に
「犬は犬、我は我にて果つべきを命触(ふ)りつつ睦ぶかなしさ」(平岩米吉)
という大岡信「折々の歌」に掲載された短歌を紹介していた。
曰く、
「物言わぬ犬と人との縁はこの「かなし」の思いにつきているのかもしれません。」

飼い主さんに「ブログに記載してもいいですか?」と訊ねると、
「お願いします:」とのことだったので、リンクを貼っておきます。
ワキュのぶろぐ:ペットホテルから失踪した迷子犬捜索中。
再会の日があることを願う。
つんちゃが道の真ん中でヘタレていると、
道路の向こう側からこちらへ近づいてくる男性がいた。
何かな?と思っていると静かな口調で
「犬を探しているんです。」と
1枚のチラシを手渡された。
動物病院はもちろん、ペットショップや、公園、
いろいろな場所に張り出されてある見覚えのあるチラシ。
目にしないワンコの飼い主の方が少ないんじゃないかと思うくらい、
およそ犬連れが立ち寄りそうなところにはほとんど貼られている。
ワタシのまわりでもほとんどの飼い主さんたちはその名前を知っている。
でも・・・まだ見つからないそうだ。
飼い主の方に直接お会いしたのは今朝が初めてだった。
いなくなったのは2010年5月26日というから、
丸3年。
「家族ですから。諦めきれないんです。」という飼い主さんの言葉に、
切なくなる思いがした。
探し続けることは大変なエネルギーを要することだと思う。
探して歩くためには行動する体力。
必ず帰ってくることを信じる気力。
配って回るチラシにもお金はかかる。
犬探しに関して、
2人の作家を思い出す。
ドイツ文学者だった中野孝次とロシア語通訳だった米原万里。
中野孝次は「ハラスのいた日々」という作品の中で、
ハラスの失踪期間の苦悩を描いている。
1970年代の頃の話なので、
今のようにネット社会ではない。
スキー場で行方不明にったハラスを探すのに
交流のあった地元の人たちの協力の他に、
使った手段は「新聞の折り込み広告」だったという。
米原万里の待ち続けたゲンは、結局彼女の他界により、
この世では再会することがかなわなかった。
ロシア語通訳の第一人者だった彼女も、
動物のこととなると冷静な判断ができなかったと著書の中で
その失敗を書いている。
怪しいと思いながらも藁にもすがる思いで「犬探偵」なる相手に
まんまとお金をだましとられたこともあったというのだ。
超多忙を極めていた彼女だけれど、
どこへ行っても、海外からでさえ、
動物愛護センサーへ確認の電話を入れることを怠らなかったそうだ。
病床にありながらも最後まで、ゲンの帰りを待ち続けたという。
中野孝次の本に
「犬は犬、我は我にて果つべきを命触(ふ)りつつ睦ぶかなしさ」(平岩米吉)
という大岡信「折々の歌」に掲載された短歌を紹介していた。
曰く、
「物言わぬ犬と人との縁はこの「かなし」の思いにつきているのかもしれません。」

飼い主さんに「ブログに記載してもいいですか?」と訊ねると、
「お願いします:」とのことだったので、リンクを貼っておきます。
ワキュのぶろぐ:ペットホテルから失踪した迷子犬捜索中。
再会の日があることを願う。